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「不思議な子だったね」

闇の鏡に選ばれなかった男の子。
どうやら魔力が無いらしく、何故自分が此処に居るのかも理解していないように見てた。

境遇が似ててちょっと仲良くできそう。

そして励ましてあげたい。

一年居るけど私も何で自分が此処に居るのかよく分かってないよ、って。

「…彼が気になるのかい」
「え、うーん そうだなぁ…気になるかと訊かれれば気になるかも」

だって魔法が使えないってどんな感じなんだろう。
どこ出身なんだろう。
質問したい事はたくさんある。

自分から話しかけれないから無理なんだけどね。

「関わるなとは言わないけれど、気をつけるんだよ」
「はぁい」

リドル君って結構お母さん気質なのかな。
子供を世話する感覚で私に接してる気がする。

やんちゃしないからもう少し気楽に構えててほしいな。

それに、入学式での騒ぎを見た後なら大抵の事は可愛く見えるだろう。
私なんて雑草と同等かそれ以下だもん。

だっていきなり火を吐くんだよ、まん丸い体の黒狸ちゃんが。

驚かない筈がない。

勝手に暴れだすしその火の所為でアジーム君のお尻は焦げるし、もう大惨事。

リドル君とアーシェングロット君が場を収めようとしてくれているのを唯ひたすら傍観してた。
冷や汗が止まらなかったよね。

一人であたふた慌ててる様は嘸かし滑稽だっただろう。

「そうだリドル君」

私の問い掛けに彼は短く返事をした。
優しい顔で見下ろされると、何故か胃がもやもやする。

「あのね、まだ法律覚えきれてなくて…随時教えて欲しいの」
「はぁ…」

わ、あからさまに溜め息吐かれた。

ごめんね出来損ないの記憶力で。
一応これでも徹夜しながら頑張ってたんだよ。

それらが口から溢れることはなく、自然と頬が剥れた。

「仕方ないね」

但し、とお礼を言う前に遮られた。

承諾を貰えても、きっと条件付きだろうとは思ってたけれど…。

「だからと言って甘く見ないからね」
「はぁい」

分かってるよ。
ここは厳格な精神に基づく寮ですもんね。

偶に、自分はこの寮に相応しくなかったんじゃないかと思う時がある。

以前イグニハイドのシュラウド先輩と少し話をする機会があり、ちょっと同じ匂いがした。

詰まりあの挙動不審加減に親近感が湧いたのだ。

「え、」

急に地面が接近してくる。

私の頭は考える事を放棄したのか全く働いてくれない。

「ぼうっとしながら歩いたらいけないと何度言えば分かるんだい」

私を抱えたリドル君に怒られた。

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りん(プロフ) - ラムさん» はじめまして!そう言っていただけると此方も凄く嬉しいです!ゆるゆる更新になってしまうかもしれませんが、頑張ります!ありがとうございます! (2020年9月27日 0時) (レス) id: 6f476b47f8 (このIDを非表示/違反報告)
ラム - 話しの続きが気になる (2020年9月26日 16時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りん | 作成日時:2020年8月27日 15時

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