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「こいつ、買い出しで何かあったの？」
「そっとしておいてあげて」
ユウ君とグリム君、そしてやたら元気が無いスペード君が購買で材料を揃えてくれたお陰でタルトは出来上がった。
余りの落ち込み様に痺れを切らしたのか、トラッポラ君が尋ねた。
よく分からないけれど元気出して。
「おっ、タルト完成した？」
マジカメ映え〜って言いながら写真を撮るのはダイヤモンド先輩。
彼の喋りは語尾に音符が付いてそうなくらい軽い。
全部が一概にそうとは言えないんだけれども。
ちゃっかり試食に参加してるところを見ると、心配する事は無いのかな。
「トレイ君、あれやってよ」
「あれって？」
ダイヤモンド先輩のお願いを瞬時に判断するクローバー先輩。
多分ユニーク魔法で味を変えてくれって意味だ。
「お前達、好きな食べ物は何だ？」
読みが当たっていた嬉しさから思わず笑みが溢れる。
だって頼んでる所を何度か見た事あるんだもん。
折角美味しいお菓子食べてるのに、勿体無いなっていつも思ってた。
いきなりの質問に戸惑いながらも答える面々。
何個も頼んでるグリム君は食いしん坊のようだ。
先輩が魔法を唱え、もう一度口に入れる。
食べている物はマロンタルトなのに味は違う。
そのちぐはぐさが面白いのかとてもはしゃいでる。
「味を変える魔法が先輩のユニーク魔法なんですか？」
「性格には、要素を上書きする魔法だな」
だから味だけじゃなくて匂いまでも上書き出来る。
でもその効力は短時間しか持たないから、単なる落書きって意味でドゥードゥルと呼んでいるらしい。
初めて聞いた時、可愛らしい響きだなと思ったっけ。
彼は自分の魔法はリドル君と比べたら全然だと言うのだけれど、そんな事無いんじゃないかなって私は思ってる。
だって要素の上書きって使い方によれば最強の武器にもなり得るんじゃないかなって…。
「今日はもう遅い。タルトを寮長に渡すのは明日にして、寮に戻ろう」
その横でユウ君にまた泊めてほしいと強請るトラッポラ君。
話から察すると昨晩もお世話になったのだろうか。
「意地悪な先輩に入れてもらえないみたいだし」
「棘のある言い方〜」
「入れてもらえない？」
「Aは気にしなくて良いぞ」
頭をぽんぽんと撫でられた。
クローバー先輩って私の事を妹だと思ってるのかな。
これまでの扱いがそんな感じするもん。
「寝る前にちゃんと歯磨けよ」
やっぱりそうだ。
…納得いかないんですが。
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りん(プロフ) - ラムさん» はじめまして！そう言っていただけると此方も凄く嬉しいです！ゆるゆる更新になってしまうかもしれませんが、頑張ります！ありがとうございます！ (2020年9月27日 0時) (
レス) id: 6f476b47f8 (このIDを非表示/違反報告)
ラム - 話しの続きが気になる (2020年9月26日 16時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りん | 作成日時：2020年8月27日 15時
