11 ページ11
「は…、はぁ」
「先輩、大丈夫ですか？」
「ごめんね…圧倒的に運動不足…」
炭鉱の中に入れたは良いもののゴースト達に追い回されるという災難が降り懸かる。
体力は無く、思うように魔法も使えない私は足手纏いでしかない。
苦手意識を抱いてないでバルガス先生の授業もっとちゃんと受けとくべきだったかな。
でも幾ら頑張ったって嫌いな運動を好きになるなんて無理だったんだもん。
それに加えて先生が苦手ときたら意欲なんか湧かないよ。
頭の中で言い訳をしていると、ユウ君を除いた三人…じゃなくて二人と一匹が何やら言い合いをしていた。
責任を押し付け合ってる。
滑稽過ぎて目も当てられない。
「三人とも落ち着いて」
あ、それで良かったんだ。
なんて思っていられたのも数秒で、奥から現れた怪物に一同叫び散らかしてた。
「ひっ……」
しかし私は驚きのあまり声すら出せない。
得体の知れない"それ"が何やら言葉らしきものを発してる。
「石がどうとか言ってなかった!?」
「やっぱり此処に魔法石はまだ有るんだ！」
僅かな希望を頼りに一人で突撃し始めるスペード君。
もしかして猪突猛進型なのかな。
「一先ず逃げよう！」
立て続けに攻撃を仕掛けても相手を逆上させるだけで効果が見られない。
このまま此処に居ては全員やられてしまう。
私の声が合図となり全力で走った。
避難してからみんなで魔法石強奪の作戦を考えよう。
「はぁ、はぁ…っデジャビュ…」
この体力無しめ！自分の事だよ！
そんな私を見てユウ君が困った顔をしている。
足手纏いでごめんね、大丈夫だから話進めて良いよ。
「もう諦めて帰ろーよ」
私が息を整えている間にトラッポラ君が爆弾を落とした。
そんな軽く受け入れて良いのかな。
「ざっけんな！退学になるくらいなら死んだ方がマシだ」
彼の言葉に触発されて激情するスペード君。
化け物の背後から漏れていたあの光は、私達が探しに来た魔法石で間違いないと思う。
目前に有ると分かっていながらも諦めるなんて出来ないのだろう。
意欲は伝わるしその気持ちも理解できるけど、死ぬのはだめです。
「あのね」
「腰抜け野郎はそこでがたがた震えてろ！」
「はぁ〜？腰抜け？」
彼らには私の声なんて全く届いてないようで、言い合いが激しくなっていく。
売り言葉に買い言葉とは正にこの事だと頭の端で思った。
「じゃあ全員仲良く退学って事で」
二人の喧嘩を見事止めたのはユウ君。
効果は抜群だ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 363人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りん(プロフ) - ラムさん» はじめまして！そう言っていただけると此方も凄く嬉しいです！ゆるゆる更新になってしまうかもしれませんが、頑張ります！ありがとうございます！ (2020年9月27日 0時) (
レス) id: 6f476b47f8 (このIDを非表示/違反報告)
ラム - 話しの続きが気になる (2020年9月26日 16時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りん | 作成日時：2020年8月27日 15時
