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少し沈黙が続いたあと、高地が口を開いた。
高「北斗の気持ち、完璧にはわかんない。俺は北斗じゃ無いから。口悪くなっちゃうかもだけど、これだけは言わせて。」
『うん』
こいつはこんなところまで優しい。今から言ってくれる言葉なんて、多分今の俺にはぶっ刺さると思う。でも、そうなることで出てくる自信もある。
高「俺は、北斗がただ逃げてるだけなんじゃないかと思ってる。それは北斗の悪い癖だよ。
もちろん、逃げることはしていいと思う。嫌だったら遠回りしたりね。でもさ、それに関してはしっかりAちゃんと話そう。
怖いのは分かるよ。また百合花とかでAちゃんが傷つくのは北斗も絶対に望んでないし、第三者の俺だって望んでないもん。それもあるけど、Aちゃんと話さなかったらここから先何も進まないよ。ただ止まってるだけ。」
真剣にそう話をする高地。俺は逃げてばっかりだって、そう思わせてくれた言葉だった。
『…うん、ありがとう。高地。本当にありがとう…』
高「北斗涙目。ハンカチいる?」
『高地のおかげで、俺また一歩進めるかもしれない。最高の友達だよ』
高「あはっ、嬉しい」
ネガティブ、逃げてばかりは俺の悪い癖。だからいつまで経っても強くなれない。
ごめん、A。この悪い癖に気づかなかったから、ずっと辛い思いさせてたのかもしれない。
…実はAと高地が知り合いだったということ、俺はこの時分からなかった。
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作者名:Y | 作成日時:2022年12月5日 17時