Curtain call. 〈Hokuto.M〉 (ページ26)

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「おい、百合花…」
百「ねえねえ北斗。この人だれ？」

百合花と呼ばれたその女の子は、北斗にべったり。オマケに私のことを睨んでくる様子。

もしかして、二人共カップルだったりして？…いや、それはない、と思う。北斗はこういう子タイプじゃないし。

「Aは、俺の＿」
百「A？キミ、Aちゃんって言うんだ！」
『…はい。』

なぜだろうか、怖い。この子。
関わったらいけないタイプの女の子、だと思う。

心の奥に針が刺されたみたいな感覚に襲われて、その場から逃げ出したくなる。

百「Aちゃんさぁ、北斗の彼女？」
『…違い、ます』
百「そうなんだ！だったらさ…」

百合花ちゃんは抱きついていた北斗の腕をはらい、私の肩を両手で包み、耳もとでこう言ってきた。

百「もう北斗に近づかないでくれる？」
『…え』

クスクスっと笑う百合花ちゃん。漫画から出てきたみたいな雰囲気が漂っている。

言われた言葉の意味を理解しようと、意味もなく北斗に目線をやる。私の名前を呼んでいる気がするけど、それどころじゃないくらい私の心はギュッと締め付けられていた。

百合花ちゃんは、北斗のことが好き。だから私は邪魔な存在？だからこんなこと言ってきたの？

『…なんだ、私、北斗のことこんなに好きだったんだ』

誰にも聞こえないくらいの声で、そう呟いた。北斗は目を見開いていたから、聞こえてたのかな。

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