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「どうかした?」
『…ううん、なんでもない』
昨日再会して、もう好きになりかけている私って案外チョロいかも。
北斗のさりげない優しさ、お花の香りが微かにする香水の匂い。全部にドキドキしてしまう。こんな感情は全て、好きに比例してしまう。
そんなことに気づかないフリをして、海綺麗だねって誤魔化してみる。
「Aの誕生日だけど、こんなことしかできなくてごめんね」
『なにそれ。私は誕生日に北斗と一緒にいれたことが嬉しいのに。』
「…えっ」
『あっ!…いや、今のは……』
両手をヒラヒラさせて、違う違うとアピールするも、北斗の表情は変わらない。鉄か、ってくらい変わらない。
その姿を見て必死に言い訳を考えるも、何も出てこない。私の負け?
「…期待、しちゃうけど。いいの?」
『……』
頷くふりをして視線を斜め下に向ける。その瞬間に、目の前が彼の上着の色に広がった。
抱きしめられたんだと錯覚するのには数秒かかった。
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作者名:Y | 作成日時:2022年12月5日 17時