Curtain call. 〈Hokuto.M〉 (ページ12)

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時計を見ると、21:00。外は真っ暗で静か。
奇跡的に北斗とは駅が同じで、家の方向も途中まで同じだった。その途中に来たところで、足が止まる

「家まで送るよ？」
『んーん、大丈夫。もう２０歳すぎてるし！』
「そう？」
『うん。』

くるっと家の方向に向く。
またね、って言い合って、いつもよりゆっくりのスピードで歩き出す。

北斗と再会できてよかったし、あの時の気持ちを素直に言えてよかった。私が今北斗のこと好きかどうかもあやふやだけど…全然嫌じゃないっていうことは、もしかしたらそういうことかも。

一気にいろんなことが起こりすぎて、頭の中を整理する。…やばい、手袋返すの忘れてた。今から戻る？いやでも、結構北斗歩幅大きいしな…。

？「そこのお姉さん、ちょっと来てよ」
『はい？』

後ろから低い声が聞こえて、振り返る。
外が暗くて、よく見えないけど男の人だ。シルエットが二つあるから、2人いるのだろう。

男1「なにしてんの？」
男2「今から遊ばね？」
『えっと、急いでるんで…』
男1「そんなこと言わずにさぁ」
『いやです…！！』

無理やり腕を引っ張られる。バランスが崩れて、男の人たちにどこかへ連れ去られてしまいそう。

気持ち悪い、嫌だ、って頭の中でぐるぐる

『やめてくださいっ！』
男2「早く歩けよ」

恐怖の限界がきたその時、男の人の腕がバッと切り離される。
何が起こったかもわからなくて、気づいたら棒立ちしている自分がいた。

男の2人じゃない、もうひとつのシルエット。