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ゆっくり見る私のスピードに合わせて歩いてくれる明智。
大水槽が見えて、二人して下から上まで眺める。
｢あっ、イワシイワシ！｣
｢イワシではしゃぐやつお前くらいだからほんと｣
｢なんでよ｣
呆れたように笑いながらこっちを見る明智。
むっとして言い返せばふっと鼻で笑われる。
｢食べんなよ｣
｢食べません！｣
私の返事にけらけらと笑った明智はもう一度水槽を見上げる。
つられて視線を向けて、悠々と泳ぐ魚群を見つめる。
そういや昔、東条と明智と3人で来て、美味しいかなと魚を見た感想を素直に述べたのを馬鹿にされた覚えがある。
全く魚を舐めてる、あの二人は。
普段食べてることを忘れんなよと思いながらぶーぶー文句を言っていたあの頃。
懐かしいな、と懐古する。
｢あっ、ね、イルカ見に行こ！｣
急かすように手を取って明智を引っ張る。
はいはいと言いながら着いてきてくれて、ちょうど始まったイルカショーを傍で見ながら、ちょっと目がキラキラしている明智。
久しぶりの楽しさと、またいつか来れるかなという期待がどうしても胸の中で膨らんでしまう。
いつの間にか絡み合っていた指先をぎゅっと握って、握り返してくれる温かさに安心しながら、ずっとこの時が続けばいいのに、なんて。
｢…あ、これ、｣
｢ん？｣
館内のミュージアムショップにはぬいぐるみやらお菓子やらのお土産が沢山置いてあって。
その中から明智が手に取ったのは、私がリュックにつけているようなイルカのキーホルダーだった。
｢A、まだつけてんの、これ｣
｢つけてるよ。もう3年くらいは｣
金具がもう取れそうなのは内緒だけど。
イルカのすぐ隣に置いてあった海を丸く切り取ったようなキーホルダーは手に取って光に翳すときらきらと反射する。
透けた薄い水色のガラスが綺麗で、こんなものを今でも欲しがるなんて子供っぽいかもしれないと思いつつも棚に戻せそうにない。
そんな様子を笑いながら見て、｢貸して｣と明智が言う。
はてなを浮かべながら渡せばそのままレジへと向かわれた。
｢ちょっ、明智！｣
｢なに｣
｢や、それ、キーホルダー…｣
｢ほら、前の、イルカだけじゃ寂しいじゃん？｣
｢なにそれ、｣
適当なその言葉にお互い笑ってしまう。
買ってくれたそれを、有難く受け取って鞄へつける。
ありがとう、と言えば微笑んでくれた彼がとても、温かかった。
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なー(プロフ) - 莉桜さん» ありがとうございます！ラストの構成はドラマの７話終了後からずっと決めていますのでもうしばらくお付き合いください(><) (2019年10月16日 22時) (
レス) id: 346cc34a59 (このIDを非表示/違反報告)
なー(プロフ) - 紗里さん» ありがとうございます！コメントしてくださる事が励みです(ToT)すみません、もう少し完結までかかりますがお付き合いください！ (2019年10月16日 22時) (レス) id: 346cc34a59 (このIDを非表示/違反報告)
莉桜 - とても読み応えのある作品だと思います！更新、お忙しいとは思いますがぜひラストまで読みたいです！！楽しみにしてます！ (2019年10月8日 8時) (レス) id: 73bed802f4 (このIDを非表示/違反報告)
紗里 - すごく素敵なお話ですね!最後まで読んでみたいです。更新大変だと思いますが楽しみにしています！ (2019年9月28日 20時) (レス) id: 1dbc53bd3a (このIDを非表示/違反報告)
なー(プロフ) - 璃々さん» あまりに更新しなかったので完結判定されちゃいましたかね(⌒-⌒; )ここで終わらそうという構想はあるので仕事でなかなか更新がままならないのですが頑張ります…！ (2019年8月23日 15時) (レス) id: ec49a5da0d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なー | 作成日時：2019年6月20日 19時
