. ページ33
＋＋
＋＋＋
カーテンを閉め忘れた窓から入ってくる光が眩しくて目が覚める。
顔を上げれば明智の綺麗な寝顔があって、その腕は私の背中へと回っていた。
いつかのように、抱きしめられながら寝ていたみたい。
「…ん、」
私が動いたせいか明智も起きたようで、寝ぼけ眼を擦りながら反対の手でさらにぎゅっと引き寄せられる。
「明智？」
「…Aの家行って、着替えて、…それから水族館いこ」
「水族館？」
「ん、昨日、バイト先でチケット貰った」
頭の上から降ってくる明智の声が穏やかで、まだ寝ぼけているのかなと思う。
行こうというわりには背中に回った手を離してはくれないしさっきまで目を擦っていた手も私の頭へと回っている。
二人きりの空間で、抱き合って。
まるで、恋人同士のような、そんな錯覚。
離れたくなくて私も明智の背中に手を回して、それから矛盾してるけど、
「準備、しよう？」
なんて、ぎゅっと抱き着いてそう言えばふっと笑われる。
かわい、と呟いて額で頭をぐりぐりとされて、ぐしゃぐしゃじゃんと笑っている間に腕は離れた。
「すぐ準備するから、待ってて」と明智は浴室へ向かって、私も帰る準備をしようと起き上がる。
といっても特に何かを出したわけじゃないし、片付けるものも特にないんだけど。
床に置いてあった充電の切れたスマホを鞄になおそうとチャックを開けると、昨日からすっかり存在を忘れていたからあげの匂いがもわっと香る。
「げっ…」
温めたら食べれるかなと思いながらスマホを鞄に入れて、からあげの入ったビニール袋も中へ戻す。
戻ってきた明智に良い匂いするんだけど、と言われたけどお腹を壊すといけないので鞄の底に転がっていたココアだけ渡した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1475人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なー(プロフ) - 莉桜さん» ありがとうございます！ラストの構成はドラマの７話終了後からずっと決めていますのでもうしばらくお付き合いください(><) (2019年10月16日 22時) (
レス) id: 346cc34a59 (このIDを非表示/違反報告)
なー(プロフ) - 紗里さん» ありがとうございます！コメントしてくださる事が励みです(ToT)すみません、もう少し完結までかかりますがお付き合いください！ (2019年10月16日 22時) (レス) id: 346cc34a59 (このIDを非表示/違反報告)
莉桜 - とても読み応えのある作品だと思います！更新、お忙しいとは思いますがぜひラストまで読みたいです！！楽しみにしてます！ (2019年10月8日 8時) (レス) id: 73bed802f4 (このIDを非表示/違反報告)
紗里 - すごく素敵なお話ですね!最後まで読んでみたいです。更新大変だと思いますが楽しみにしています！ (2019年9月28日 20時) (レス) id: 1dbc53bd3a (このIDを非表示/違反報告)
なー(プロフ) - 璃々さん» あまりに更新しなかったので完結判定されちゃいましたかね(⌒-⌒; )ここで終わらそうという構想はあるので仕事でなかなか更新がままならないのですが頑張ります…！ (2019年8月23日 15時) (レス) id: ec49a5da0d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なー | 作成日時：2019年6月20日 19時
