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教室に戻ろうと、窓枠から手を放した時だった。



「何やってんの」



後ろから聞こえた声に振り返れば、つまらなそうな顔をした明智が立っていた。



「…面白かった?」

「全然」



暫く見つめ合って、ようやく発した一言。
主語はなかったけど、分かったように明智は言葉を返す。



「水瀬もさ、やる?賭け」

「…何の?」

「誰が原田を、辞めさせることができるか」



向き合った二人に、沈黙が流れた。
無表情で見つめ合う光景を、原田だけが中庭から目を細めてみていた。



やがて、くだらなと小声で発した水瀬が踵を返して歩き出す。
教室が見えてきたところで誰に、ともつかずに、まるで独り言のように疑問を呈した。



「若林くんまで巻き込んで、何が面白いのか分かんない」



"若林"の名前にピクリと反応した明智だったが返事はしなかった。
教室の扉に手をかけて立ち止まった水瀬が、「やめといたら」とすぐ後ろを歩いていた明智を見据える。



「似合わないよそういう事」



それだけ言って扉を開けようと動いたとき、ガンッと顔の横に拳をつかれる。驚いて明智を見上げればそのまま閉じ込めるように水瀬に覆い被さる。
少しでも動いたら触れてしまいそうな距離にも怖気ることなく睨み合う。




「なに、お前今アイツがお気に入りなの」

「はあ?」

「昨日も……」




そこまで言って明智は口を閉ざした。
所謂壁ドンのような恰好だけれど、そこにドキドキなど一つもなく、ただ緊迫した空気だけが漂っていた。



「…馬鹿らしい」



小さく呟いた明智が扉についていた腕を放して離れる。
さっき来た廊下を戻っていく明智の背中を見つめながら、訳が分からないとまた一つ、溜息を零した。









翌日、壊れた校門を見て遅刻してもよじ登らなくてよくなったじゃんと嬉しそうに、ますます遅刻癖に拍車のかかる水瀬の姿を、長井が頭を抱えて見つめていた、らしい。

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ハル - すごく大好きです!更新も無理せずにゆっくりでいいので、楽しみにしてます! (6月16日 0時) (レス) id: aceffff8a7 (このIDを非表示/違反報告)
なー(プロフ) - 鶴さん» ありがとうございます!更新は遅いですけど読んでいただけると嬉しいです(^o^) (6月12日 13時) (レス) id: 3cdd23f11d (このIDを非表示/違反報告)
- すごくはまってしまいました! 続きも楽しみにしています! (6月4日 22時) (レス) id: c081e3d2cd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なー | 作成日時:2019年6月2日 21時

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