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カンニングか、と一人考える。
あれだけ授業にも出ていなければ仕方もないのかもしれない。
別に、点数を取れても取れなくてもどうでもいいのになと思う。
光岡のカンニングは残念ながら先生たちにもばれてしまったらしく私たちのクラスだけ再テストになってしまった。
どうせ範囲は変わらないだろうし読み返す程度でいいかな、なんて思って勉強もせずにバイトを入れたけど、再テストを考慮してくれたのか店長がその日のバイトは早めに上がらせてくれた。
相変わらず電気のついた家の窓を見て踵を返す。
さすがに公園の暗さではノートも読み返せないし、勉強できそうな場所を探しながら街中をふらついてみる。
漫喫でも行こうかなと考えてみるけど制服を着ているしすぐ追い出されるだろう。
「何してんの」
勉強なんていいからやっぱり公園へ戻ろうかなと考えながら歩いていれば、後ろから肩に手をかけられ呼び止められる。制服姿の明智だった。
「…明智こそ」
「バイト帰り」
「そう…」
冷めた目で暫く見られて、唐突に「うち、来る？」と明智の口から言葉が出る。
「は？」
「まだ帰んないんでしょ。うち、来る？」
正直、何なんだと思った。
最近少しずつ話すようにはなったけど、高校入学して今まで話すことなんて無いに等しかったのに。
けれど家に帰りたくなかったのも事実だからその申し出はすごく有難かった。
どうしようと悶々としていると痺れを切らしたのか「行くよ」と歩き出される。
有無を言わせないその足取りにおとなしく着いて行くほかなかった。
たどり着いた先、通されたのはアパートの一室だった。
殺風景とも言える、シンプルな部屋。
「ごめん、机とかあれしかないけど」
「ううん」
布団に腰を下ろした明智がネクタイを外しながら適当に勉強でもしたらと言う。
きっと、帰りたくないことには気づかれてる。
連れてきたくせに必要以上に話しかけてこない明智に、むしろありがたく思いながら、何だかんだ優しいところは変わってないんだなとほっとした。
二人で何をするでもなく、お互いそれぞれで勉強をして、あくびをこぼした明智を見てそろそろお暇しないとなと勉強道具を片付ける。
断ったけど、送ると言って聞かない明智に家まで送り届けてもらって別れを告げる。
家までは無言だった。玄関を開ける前、ちらりと振り返ればまだこっちを見ている明智がいて、懐かしさにどうしようもなく、泣きたくなってしまった。
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ハル - すごく大好きです！更新も無理せずにゆっくりでいいので、楽しみにしてます！ (2019年6月16日 0時) (
レス) id: aceffff8a7 (このIDを非表示/違反報告)
なー(プロフ) - 鶴さん» ありがとうございます!更新は遅いですけど読んでいただけると嬉しいです(^o^) (2019年6月12日 13時) (レス) id: 3cdd23f11d (このIDを非表示/違反報告)
鶴 - すごくはまってしまいました！ 続きも楽しみにしています！ (2019年6月4日 22時) (レス) id: c081e3d2cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なー | 作成日時：2019年6月2日 21時
