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ガチャリと重い扉を開ける。
ご飯はさっき保健室で食べてしまったし、1人食べないでいては友達に気を使わせそうだからと屋上へ足を運んでみた。
「…あれ、」
「っ、水瀬さん、」
「ここで食べてるの？」
ひとり座っている若林くんが、慌ててマスクをポケットから出そうとする。
そうか、邪魔だな私。
「あー、いいよ。私別のとこ行くから」
「えっ、あの、…待って！」
そう判断して踵を返そうとした矢先、意外にも呼び止められる。
呼び止めた彼へと目を向ければ、いやっ、あのっ、と心配になるくらいに焦っていた。
「ごめん、呼び止めて。その、特に話すことがあるわけじゃないんだけど、」
申し訳なさそうに下を向く彼にああ、と閃く。
「ごめんね？気使わせて」
ううん、と彼は首を振った。
きっと追い出すのも悪いと思ってくれたんだろう。
本当はそうじゃないかもしれないけどまあいいやそれで。
「水瀬さんは、ご飯、食べないの…？」
「私もう食べちゃったから」
「そっか」
続かない会話。
そりゃそうだ、今までほとんど話したことなんてなかったもの。
きっと若林くんは気まずいであろう沈黙を破ったのは、扉の開いた音だった。
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「ずっとマスクしてて苦しくない？外せば？」
「外したいに決まってんじゃん…」
入ってきたのは原田先生と田中先生だった。
マスクをつける若林くんに話しかけ、俯いた若林くんは屋上を出て行ってしまった。
「何あれ？」
彼が出て行った扉を見つめ原田先生が呟く。
はっきり言っちゃうタイプの人かと思い、話す人がいなくなったので私も腰を上げた。
「ねえちょっと、あんた、水瀬だっけ？」
「…何ですか？」
「明智と、仲良いの？」
突拍子もない質問につい、は？と声が出てしまう。
何を見てそう思ったのだろうか。
「違うの？」
「別に、そんなに関わる事ありませんし」
何だか気分が悪い。
明智との普段の関わりなんて強いて言えば睨み合うくらいだ。
私は彼に嫌われている。きっと。
「私、戻りますね」
これ以上何も追及されたくなくて、教室に戻ろうと、止めていた足を動かした。
どうにも、彼―明智秀一に関わる事は、何も話したくないのだ。
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ハル - すごく大好きです！更新も無理せずにゆっくりでいいので、楽しみにしてます！ (2019年6月16日 0時) (
レス) id: aceffff8a7 (このIDを非表示/違反報告)
なー(プロフ) - 鶴さん» ありがとうございます!更新は遅いですけど読んでいただけると嬉しいです(^o^) (2019年6月12日 13時) (レス) id: 3cdd23f11d (このIDを非表示/違反報告)
鶴 - すごくはまってしまいました！ 続きも楽しみにしています！ (2019年6月4日 22時) (レス) id: c081e3d2cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なー | 作成日時：2019年6月2日 21時
