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学校に着いたはいいものの、もう授業は始まってしまっている。
昨日つい考えてしまった彼のことを思い出して、何だかめんどくさいなあと思い、職員室にもよらず、そのまま保健室へ直行した。
「今来たの？」
「そうでーす」
何飲む？なんて聞いてくれるのは、養護教諭の佐川先生。
いつの間にか保健室の常連になってしまって、最近はもう体調を聞かれることもなくなった。
だらだらと、保健室で過ごす時間はクラスメイトと関わらずにすむからとても気楽だった。
「授業は？」
「んー…昼から？」
「勉強、ついていけなくなるわよ」
「そう思いますー？」
「全然」
教師らしいこと言ってみただけ、と悪戯に笑う佐川先生。
昨日、バイト先で廃棄前だからと貰ったパンが、リュックに入っていることを思い出す。
イルカのキーホルダーがついたチャックを開いてメロンパンを取り出した。
朝ごはんも食べていないし、この時限が終わるまでまだ30分もあるし、賞味期限ギリギリだし、食べちゃえと一口噛り付く。
そんな私を笑いながら見て、佐川先生が口を開いた。
「長井先生、嘆いてたわよ。水瀬さん成績は優秀なのにもったいないって」
またあの先生か、と溜息を吐いた。
勉強は好きだ。でもそれは、自分の知識を広げたいだとか、追究したいだとか、そんな勉学的な理由じゃない。ただ、余計な事を何も考えずにすむから。それだけ。
だから期待されるのも、そうやってがっかりされるのも、どうでもいいし心底面倒くさくて仕方がなかった。
食べかけのメロンパンとココアを見て、世の中このくらい甘ければいいのにと考える。
憂鬱になった心情を少しだけ上げてくれたのは、佐川先生が教えてくれた、自分のクラスの担任が変わったという情報だった。
「どんな人？」
「内緒。どう、楽しみ？」
「少しだけ、」
そっか、と笑う佐川先生に、ココアありがとうございましたと告げる。
面白い先生だったらいいなあと、本当に少しだけ期待をして、床に置いたリュックを背負いなおした。
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ハル - すごく大好きです！更新も無理せずにゆっくりでいいので、楽しみにしてます！ (2019年6月16日 0時) (
レス) id: aceffff8a7 (このIDを非表示/違反報告)
なー(プロフ) - 鶴さん» ありがとうございます!更新は遅いですけど読んでいただけると嬉しいです(^o^) (2019年6月12日 13時) (レス) id: 3cdd23f11d (このIDを非表示/違反報告)
鶴 - すごくはまってしまいました！ 続きも楽しみにしています！ (2019年6月4日 22時) (レス) id: c081e3d2cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なー | 作成日時：2019年6月2日 21時
