公安警察、辞めさせて下さい【安室透/降谷零】

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風「今日残業ですか？」

「はい...全部書き直せって言われちゃって...」

風「...お手伝いします」



手に持った鞄を置いて、一つ隣のパソコンを起動させる

今回Aさんが提出した資料は私も事前に簡単にだが確認をした
特に問題は無かったはずなのに、何故全部書き直しに...

先日任務でお会いした時もどうも不機嫌でいらっしゃった
内容は、組織のメンバーが近々警察庁にNOCリストを盗みに来る可能性がある為対策を練りたいとの事だったが、そのような事で不機嫌になった事など無かったはず
では一体何が気に入らなかったのかは結局分からずじまいで今日に至っている

...私とは別で降谷さんにお会いした同僚は、そんな不機嫌さは感じなかったと言うのもまた不思議な点



「...どうしたら風見さんみたいに仕事が出来る人間になれますか？」

風「そんな、Aさんは本当によく頑張っていますよ！飲み込みも早いですし、今となってはAさん無しでは回りません」

「風見さんはやっぱり天使です...めちゃ優しい...」

風「め、めちゃ優しい...」

「降谷さんはまだ一回も褒めてくれてませんよ？"無能は要らない"から始まって、今日もまた"仕事も出来ない人間"だって言われました...私もしかして、この仕事向いてないんでしょうか...」

風「...公安は嫌いですか...？」

「そんな事は無いですけど...皆さんの足を引っ張りたくはありませんし、何より好きな人に怒られたくなんてないですよ」

風「あの...ちなみに、それって本気なんですか？降谷さんが好きというのは...」

「はい！結構前に告白もしましたよ！」



と突然声色が明るくなる様子は、確かに冗談ではなさそうだな...
一方の降谷さんもそれに近しい気持ちはあるのだろうと思っていたのだが...
"勘違いをするな"と言われてしまった以上私も迂闊な事は言えない



風「そ、それで降谷さんは何と？」

「"勝手にしろ"って。ずるいですよね！？そんな期待させるような言い方。...私も現場に出てみたいです。任務の時もきっとカッコいいんですよね！？」

風「ま、まぁ...」



...どうするか
今度のNOCリストの任務、内緒でAさんにも来て頂こうか...？
以前"社会科見学じゃない"とは仰られていたが、Aさんも立派でかつ優秀な公安警察官
きっと大きな問題は無いだろう



「風見さんが羨ましいです、いつも信頼されていて」

風「...実はですね...」

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