公安警察、辞めさせて下さい【安室透/降谷零】

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「す、すごい...料理も出来るんですね！」


ますますスパダリ...
こんな人間が世の中にいるだなんて...


「美味しい...！すごく美味しいです！降谷さんは食べないんですか？」

「零だ」

「え？」

「俺の下の名前だ、まだ自己紹介をしてなかった」

「...それはつまり、下の名前で呼んでい

「良くない、勝手に勘違いするな」

「そ、そうですか....あ、でも！私の事は下の名前でも

「呼ばない」

「...ざ、残念です...」


それにしてもどれくらい？
20分くらい？
そんな短時間でこんなにたくさん...
今までにもこうやって誰かの為に作った事あるのかな...
そもそも今も彼女いたりして


「...どうして警官になろうと思った」

「昔、ショッピングモールで迷子になった時に助けてくれたお巡りさんがカッコ良かったからです」

「...それだけか？」

「はい」


そう答えると突然つかれた深い溜息
確かに甘ったれた動機だとは分かってるけど、そんな呆れられる程じゃ...
だってきっかけなんて皆そんな物じゃない？


「...じゃあ降谷さんはどうなんですか？警察を目指した理由」

「初恋の女性を探す為だ」


え...？
は、初恋の女性...？
初恋の...？


「...おい、引くな」

「ひ、引いてません...」


そう、なんだ...
じゃあ今もまだ好きって事...？
イケメンがそんな甘酸っぱい理由で警察にまでなったなんて、更にポイント高いけど...

なんか...
聞きたく無かったな...


「...ごちそうさまでした」

「もういいのか...？まだ残ってるぞ」

「おにぎりは食べましたから...そこまでお腹空いてません」

「...とにかく、食べたいのなら朝も来ていい」

「え？」

「食事はちゃんとした物を摂るべきだ。料理が出来ないなら

「料理なら出来ますよ？」

「え？」

「え？出来ないって言いましたっけ...？」

「...いや...なら食費はどうするんだ。1ヶ月と半分以上を5千円で過ごすんじゃなかったか？」

「実家から持って来た食べ物がありますから、とりあえず何とかはなります。あ、でも！降谷さんが来てもいいと言うなら是非来させて

「っ、来なくていい！食べ終わったなら帰れ！」

「えぇ！？」

「あの資料今月中に覚えないといけないんじゃなかったか？さっさと帰って仕事しろ！」

「なっ、待ってくだ、うわっ！」

「明日遅刻したら仕事増やすぞ」

「そんな！降谷さ


バンッ
と閉められた玄関の扉

何...？
怒らせた...？
私何かまずい事言った...？

振り返ると月が丸々と輝いていた

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