５話 ページ35
緩くなった服を腰に捲し上げきつく結び、スカートも上げ#b#はある場所へ向かった。
大粒の雨が彼女の小さな身体を濡らす。にわか雨に降られ、犬に追いかけられ、車に轢かれそうになり…＿＿＿＿Aはズタボロになりながらもある目的地へと懸命に足を進めていた。
『くそ、走ってもすぐに息切れするし………一歩は小さくてなかなか進まないし………』
小さい身体の何と不便なことだろう。服はぐっしょりと濡れ、(まぁ透ける胸も無いが)Aは一刻も早く目的地へ辿りつきたかった。
とぼとぼと歩きながら、江古田高校の横を通る。高校が見えてきたということは彼の家まではあと少しということでもあった。
『家に、いるといいけど………』
そんな彼女の呟きは、しとしと降る雨の中へ人知れず消えていった。
ﾋﾟｰﾝﾎﾟｰﾝ
漸く、Aは唯一の頼りである彼の家に辿り着いた。懸命に背伸びをしながらインターホンを押す。すぐに部屋の中から「ほーい…」と間延びた返事が聞こえた。
ｶﾞﾁｬﾘとドアロックを解除する音が鳴り、Aはぐっと拳を握りしめ彼が出てくるのを待った。
「はいはい、どちら様ですか……」
『っかいと！』
彼、とはAの友人、黒羽快斗のことだった。
快斗は私服を着ていて、今日は雨が降ってきたからか仕事もしていない様子だ。ずっと一人で心ぼそかったAは思わず彼が出てきた瞬間その足に抱きついた。
「うぇ！？え、えーっと………オメー誰だ？」
快斗はAを咄嗟に抱き止めながら、困惑したように言った。それもそのはず、なんせ名前も知らない幼子が急に家を訪ねてきて、自分の名前まで知っているのだから。
「なんか、ガキの頃のAにそっくりだけど………」
『そう！私Aだよ！！』
快斗の声にハッとして彼女が焦ったように言うと、快斗は一瞬で怪訝そうな顔になった。それはまるで、何言ってんだコイツ、とでも言いたげだ。
『今日、新一と蘭とトロピカルランドに遊びに行って、怪しい奴らの裏取引現場を見てたら背後から襲われて………』
『そいつに変な薬飲まされて、身体が縮んじゃったんだよ！！』
必死に訴えるAだったが、依然、快斗の表情は変わらなかった。
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mリン(プロフ) - 宵夜さん» こんにちは、コメントとご指摘ありがとうございます！修正が上手く行ってなかったようです。教えてくださりありがとうございました。また何かありましたらコメント宜しくお願いいたします！ (2022年3月20日 16時) (
レス) id: 535fdf8baa (このIDを非表示/違反報告)
宵夜(プロフ) - とても面白くて良かったです！少し質問なんですが、ページ14の『(小さくなったあなたの仮名)』って目次ページで設定したものですか？変換されていないようでしたので一応報告と思い…不快であれば消して頂いても構いません。 (2022年3月11日 0時) (レス) @page14 id: 5d45bacd52 (このIDを非表示/違反報告)
mリン(プロフ) - マナさん» 久しぶりにきたのでご返信が遅くなってしまい申し訳ありません。数年前の私が作成した拙い内容ですがそれでも宜しければどうぞ使ってやってください…！わざわざコメントありがとうございます！ (2022年2月20日 14時) (レス) id: 535fdf8baa (このIDを非表示/違反報告)
マナ - 私なりに作品を参考させてもらっていいですか？ (2022年1月30日 8時) (レス) @page1 id: 25d45421cb (このIDを非表示/違反報告)
mリン(プロフ) - まゆさん» コメントありがとうございます！映画沿いもありますので是非ご覧ください。 (2019年5月22日 7時) (レス) id: 148773b33b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mリン | 作成日時：2017年4月21日 21時
