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#24 ページ24



春高が始まって早くも3回目の試合だった。

Aさんは危篤状態になったと聞かされた。



木兎さんは試合会場に現れたはいいものの、ソワソワと朝からずっと落ち着きが無かった。


もう、試合が始まってしまう。


木葉さんや小見さん、鷲尾さんたちに目で話しかけられた。

“木兎をどうにかしてくれ”

春高3回戦は、いくら梟谷に力があっても、木兎さんあらずして勝てるほど甘くはない。

“はい”

と目線で返した。


ベンチに座って膝に肘をかけ、項垂れている木兎さんの前に立つ。

「木兎さん、今は試合に、」

集中してください。そんなこと、俺だってできるかわからない。でもそう言った。

そんなことしか言えなかった。

なんの保証もありはしないから。


「ダメだ、Aが、」

木兎さんは俯いたままフロアに向かってそう言った。

わかってる。
俺だって、形容し難いほどの不安に襲われている。
だから、木兎さんがどれほどのどんな思いなのか、想像できずとも理解はできた。

でもそんなこと言っていられない。
ここで負けてしまえば元も子もない。


「木兎さん!……Aさんが、それを望んでいると思いますか?」

Aさん、その響に木兎さんが一瞬反応したのがわかった。

もう少し。

「木兎さん、大丈夫ですから。きっとAさんは見てくれています」

そんなのは無責任でしかない。
それもわかってる。
でも、そう言うしかできない。不甲斐ない俺だから。


「信じましょう、Aさんのこと」


木兎さんはひとつ深呼吸をして顔を上げた。

いつもの、エース木兎光太郎の顔だった。



「赤葦、悪いが、今日は俺をエースにしてくれ……!」



断る理由などなかった。



でも木兎さんにしては珍しく弱気とも取れる発言だった。


それでも木兎さんはいつもみたいに頼もしくて、負ける気など微塵もしなかったのも事実だった。














そして俺たちは決勝に駒を進めることになった。





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Rikka(プロフ) - 瑠衣さん» そんな風に言っていただけて本当に嬉しいです(;_;)ありがとうございます!完結までお待ちください、! (4月11日 18時) (レス) id: 1c396819ac (このIDを非表示/違反報告)
瑠衣(プロフ) - 泣きました。涙が止まりませんでした。これからも頑張ってください。応援しています。 (4月10日 20時) (レス) id: 44c29d146e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Rikka | 作成日時:2020年3月23日 22時

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