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誰もいない部室で北と2人。
「南、最近頑張っとるな」
「北は頑張りすぎとちゃう」
「ちゃんとやってるだけや」
「じゃあ私もそうや」
北はずっと私のことを気にかけてくれている。
1年生が入ってきて、最高学年になって大変なことも増えたけど、こうやって北がメンタルケアをしてくれるおかげで私は前みたいに安定していた。
それでもハグはもう習慣のようになっていて、ずっと続けていた。
だから私はまるでなんのしがらみもなかった頃の私みたいだった。
その証拠に、最近また 北さんの正論パンチと南さんの理不尽キック を口にされるようになった。
ついでに稲荷崎のオカン北とオトン南とも言われるようになった。
その証拠に、北に抱きしめられるだけじゃなくて、私も北を抱きしめるようになった。
でもそれは私が、北がみんなが思うほど完全無欠な神のような機械のような人間ではないと知ってしまったからだ。
ついこの前、高校に入って初めてユニフォームを貰った北は泣いていた。
つられて私も泣いてしまった。
この2年間の彼の頑張りがやっと報われたと思った。
でもそんな明るい気持ちだけじゃなくて、北だって今まで思うことはたくさんあっただろうに、私ばかり慰められていたことが恥ずかしくなった。
申し訳なくて、後ろめたくなった。
今度は、北の隣にいることが辛くなっていった。
それに、こんなふうに互いに依存しあっているような関係のままでいいのだろうか。
私はまたゴチャゴチャと考えるようになっていた。
でも他ならぬ北のことで悩むものだから、誰にも言えずにいる。
北を支えてあげたい、
北にどこにも行って欲しくない、誰かのものになんてなって欲しくない、
私というお荷物なんか下ろしてしまってくれていいのに、北の荷物にはなりたくない、
でも北の頑張りがもっと報われるのを近くで見ていたい。
一部員として、マネージャーとして、1人の女子として、それから仲間として。
複雑な気持ちが絡まりあってほどけない。
そんな私はよりいっそう、あることを意識するようになっていった。
ひとりの先輩の顔が脳裏をかすめた。
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なず@ヴィル様の旦那です(プロフ) - うびゃぁ…………今まで読んできた中で一番好きです… (2021年4月10日 16時) (
レス) id: c2e37a127a (このIDを非表示/違反報告)
依(プロフ) - ちびさん» そう言ってもらえると嬉しいです^^お読みいただきコメントまで、本当にありがとうございます！ (2020年6月5日 22時) (レス) id: 1c396819ac (このIDを非表示/違反報告)
ちび(プロフ) - めっちゃ感動しました！！最高です（ ; ; ） (2020年6月2日 20時) (レス) id: c0c643d2d0 (このIDを非表示/違反報告)
Rikka(プロフ) - りるとさん» そう言っていただけて嬉しいです！ありがとうございます^^ (2020年4月17日 8時) (レス) id: 1c396819ac (このIDを非表示/違反報告)
りると - めちゃくちゃいい話でした！！ (2020年4月15日 0時) (レス) id: 615da3bcde (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Rikka | 作成日時：2020年3月18日 10時
