自然の謳

　光に焦がれて ページ2

夏

　眩しい

　私を照らす光は

　眩しい

　黄色い花弁を広げ

　あなたからの贈り物を受け取る

　
　私はあなたを想い

　焦がれ

　寂しさに溺れる

　私はあなたの

　一番にはなれない

　あなたは全てを照らしているから

　等しく

　同じ光を与える

　
　あなたは

　私の全てなのに

　私にはあなただけ

　あなたしか見つめられないのに

　
　大地に根をはり

　あなたに向かい

　咲き乱れた

　気づいていますか？


　日向色の花弁や

　木賊色の葉に

　あなたの光を受ける度

　苦しくなる

　
　一瞬でいい

　たった一瞬でいいから

　私だけを照らしてよ

　私が朽ちても

　あなたは

　何億年何十億年と

　生きていくんでしょう

　その中の少し

　ほんの少しだけ

　私のものになって


　どんなに頑張って

　手をのばしたって

　届かないって判ってる

　この想いは届かないから


　だから

　私は今日も


　あなただけを見つめる

　一瞬を、甘く→←　零れ桜　　

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