治らないなんて希望を捨てないで【小説】

猫と自分【東遊佑京】 ページ45

「……ぅ、」


目が覚めた
お腹のほうにあったかい感覚を感じる
押しつぶされてるような、そんな感じ。
そして私はこの正体を知っている。毎朝のように行われてるから。


「…アムステル、なんでまた来たの」


「にゃぁ、」


「…地下なのに、よく来るなぁ」


結構仲の良い野良猫、アムステル
朝になったら現れて、夕方になったらどっかに消えてく。金色の毛並みに青い瞳がとても映えている。
野良猫とは思えないほど、綺麗なやつだ。


私が持っている病 ナルコレプシー
別名 過眠症 突発的に眠たくなって、歩いてたりしゃべったりしてる時にも眠ってしまうこの病に、私は数年悩まされていた。


今してる仕事…絵師にも、正直満足してない。
自分のペースで1人でできるのは嬉しいけども、やっぱり周りに誰もいないのは少し寂しい
　

私がここに来てからまだ時は短い。
その為知り合いなど1人もいない。…否、作ろうとしていないが正しいのか。
唯一の知り合いはこいつ、アムステルだけ。


「…飯、食い行くか、」


「にゃん！」


「…ふは、いやしんぼやな」


アムステルを肩に乗せて、寝巻きのまま病室を出る。
廊下には人影がチラホラ。どいつもこいつも知らないやつばっか。
、、、、朝は、コンビニでいいや。


どこかからする焦げた匂いに顔をしかめながら、急いで病棟を出た。
途中何人かに肩をぶつけたが、そんなの知らない。


焼きそばパン、まだ売ってあるかな

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