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勇者のその祈誓を。 ページ19

たかが一つだけのBöseが振っただけの、今はありもしない、存在しない神の賽の目で決まるような。
そんな世界に俺は産まれたのだ。
まふまふや、仲間達と共に。

そんな仲間とは離れ離れになり、一部の仲間は堕天してしまい。
嗚呼、神とは本当に惨いものだ。


「そらるさん、いい加減にBöse側に来たらどうです?堕天したら全てが楽ですよ」


そんな、堕天してしまったluzの声が耳にこびりついて離れようとはしてくれない。
目の前にある、王座に座るluzがかつての仲間であった事が微かに信じ難いほどにまで、彼の目は濁ってしまっていた。

luzも、俺も、残酷なほどに気まぐれな世界で、吸血鬼としての、勇者としての、世界を救うためのこんなちっぽけな手を、命を与えられたのだ。

それなのに、奇跡は失われてしまったのだ。
まふまふの、Aの、仲間のその笑みを守ることもできなかった。そんな俺に何が残ると言うのだろう。


何が、出来る?


「俺、は、このまま戦ったとして、何が残る………?」

「そうですよ。そのまま戦ったって何も残りませんよ。ただ仲間を守れなかったって言う罪悪感しか無いんです。俺らが憧れてた英雄譚なんて絵空事だったんですよ」

「……その、罪悪感って堕天しても消えないものなのかよ」

「ううん。綺麗さっぱり消えますよ。何も無かったかのように。あの日に堕天してしまった事を後悔することなんて無くなります」


悪びれもせず、何も反省などしないluzのその濁った瞳に吸い込まれそうなほど見入ってしまう。

ダメだ、このままだと。
俺まで堕天してしまう。
luzを助けるために歩いたのではないか。
ここまで歩いたのではないか。

Aを、まふまふを、luzを。
世界を。
勝鬨を上げるために。

ここまで来たのではないのか。

幾度となく願ったではないか。
毎晩のように祈って、祈って、祈って。神に、世界を救うと、護ると誓って。


「luz…何ともないのか?」

「何ともないってなんです?まぁ、でも何とも無いですね。だって、綺麗に忘れて、新しく世界を作り直せばいいんですから」


確かにそうかもしれない、と思った。
人間も人外も1度堕天して、そのままBöseだけで世界を創り変えれば。そうなれば全員が楽になれる。

嗚呼、このまま堕天してしまえば___


___「そらる!何があっても、世界を救うからね!」


あの日のAからの言葉が確かに、頭の中に響いた。
まだ、やれる。

神に祈り忘れたBöseに、誓いを忘れたluzに。
変わってしまった世界に。

この命が枯れるその時まで足掻いてやるのだ。

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錘篥* - めっちゃ好きです( 唐突 ) 世界観からもう好みすぎて…!! すごく素敵です…! 更新頑張って下さい!! (8月26日 17時) (レス) id: c9def20581 (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - すごくすごく面白いです。これからの展開が楽しみです。頑張ってください (7月14日 20時) (レス) id: 5ff03ed576 (このIDを非表示/違反報告)
sera(プロフ) - めちゃくちゃすきですファンタジー好きには堪りませんだいすきです頑張ってね (7月14日 20時) (レス) id: a1faa373be (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鎖座波 | 作者ホームページ:夜桜月  
作成日時:2019年7月14日 2時

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