【煉獄杏寿郎】俺は君に初恋を捧げる

零ノ壱　拝啓 ページ25

【拝啓】


産屋敷 輝哉様




任務への同行、拝命しました。



杏寿郎様と共に参りましょう。



ですが、もしも。



もしもの場合に、



私が死んでしまったら。



ご自分をお攻めにならないでください。



それと、少しお願いがあります。



私が死んでしまった場合に、やってほしいことがあるのです。



一つ目は、遺言を頼みます。



義父には、千寿郎を頼みます、と。



義弟には、誇りを持ちなさい、と。



あと、義弟に私の日記帳を。



それから、そうですね。



柱の方々には、いつも杏寿郎さんがお世話になっています、と。



新人さんには、頑張ってください、と。



杏寿郎さん担当の刀鍛冶様には、強い刀を打ってくれてありがとうございます、と。



皆さんに伝えてください。



二つ目は、亡くなった家族のことです。



旧雪代家には、中庭に花畑がございます。



そこに、藤の花が咲いてるのです。



その水やりを、お願いします。



それから。



旧雪代家の裏に、竹藪がありまして。



そこに、家族の墓碑がございます。



父の墓碑に、白梅香の瓶を供えてください。



母には、藤の花の簪を。



弟には、竹刀を。



どうか、お願い致します。



ところで、産屋敷様は今。



幸せですか?



こんなふうに一分一秒を過ごす。



何でもない一瞬の出来事が。



明日とか。



もっと未来の自分を。



形づくる何かになるんです。



貴方をとりまくちいさい幸せを。



感じてほしい。



私は大丈夫。



幸せです。



シオンの花言葉は、



「きみを忘れない」



いつか、この花を。



杏寿郎さんに贈りたいんです。



私には、無理でしょうから。



私の代わりに、杏寿郎さんに。



贈ってあげてください。



どうか。



杏寿郎さんに。



たくさんの祝福が



与えられますように。



私には、彼にこの遺言を残します。



お体を大切に。



鬼殺隊を導いてください。



煉獄A

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