冷酷な王子に恋、始めました。Takuya.K (ページ46)

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45love ページ46

一粒流れると止まることを知らない涙が
何度拭いても頬を伝う。

　
泣いたってこの状況は変わらない。

　

そう分かっているのに感情が収まらなくて
でも、わかっているからこそ、

泣くことを止めることの出来ない自分が嫌で仕方ない。

そんな罪悪感からまた、目に雫が溜まる。

………何なの…、こんな辛い気持ち……

　

「………こんなの…、………知らない…っ…」

こんなに胸が痛くなる気持ちは生まれてはじめてだ。
恋って本当、何なんだろうね。

私、今まで気になる人は居たけど

どれもこれも夢見がちで、モテる人を好きになっちゃって全敗。

ばかみたい

なんか自分がばからしくなって
白いシーツに包まれた脚をボフッと音を立てて叩く。

　

「…………もぅ、…ばか…っ………ばかっ………ばっ………！？」

そう言っていたら、シーツを叩いていた小さく丸められた手を
不意に誰かに掴まれた。

　

「…え…？」

　
反射的に横をバッと見る。

「………Aちゃんは、ばかなんかじゃない。」

……ね？と頭をふわっと撫でてくれた。

彼は…

　

　
「………か、…かいくん。」

幼馴染みの海くんでした。