冷酷な王子に恋、始めました。Takuya.K (ページ30)

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29love ページ30

拓弥side

拓弥「…………はぁ、…」

Aを送って急いで家に帰ってきたけど
一度座った途端、疲れがどっと襲ってきて

すぐにベッドに寝転んだ。

　

………何か、初めてだ。

　
こんなに女に関わったのは。

　

所詮女は皆、自分の事で精一杯で相手のこと何か考えてる暇もなく

自分が生きることだけを頭に入れて

　

いつだって、人を裏切る最低な奴らだと思ってた。

　

だって、実際俺の昔の幼馴染みも親友とまで言っていた
友達と突然1ヶ月以上も一度も話せていないと聞いた事がある。

　

結局、幼馴染みの親友だった奴は

自分を守るためにあいつを野放しにしたらしい。

　

　
………この時だ。俺が女ってのを心底嫌いになったのは。

　

でも、あいつは本当人の予想範囲内を飛び越えた
ヤバいことをする。

　

前から思ってたけどAは本当に素直で純粋過ぎる。

とにかく自分の気持ちをはっきり伝えて
いつも堂々としてる。

　

時には傷ついた顔一つするけど

それは、Aが本気で誰かと向き合おうとした証拠だ。

　
Aはバカだ。あほだ。

　

でも、それと同じくらい誰かを思ってる。

いつだって誰かのことを考えて生きてる。
誰かのためになろうと必死だ。

　

それを表に出さないあいつだけど、俺にはわかる。

　

Aの良いところはそういうところだって
俺は知ってる。

あえて、その凄さをさらけ出さず控えるところが

本当に凄いと思う。

　

そんなAはいつも俺の前で光り輝いてる。

……ぴっかぴかの太陽と同じ色をして…

　

………頭痛い、…

何かAの事考えてたら頭痛が襲ってきた。

もう、寝よ。

　

　

未だ胸に残っている何なのか分からない感情を抱きながら
ゆっくりと眠りについた。