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24love ページ25

だから特に、好きだとか安心するとか
そういった感情はない。

いつも以上に自分らしく居られる。

 





ただ、何気ない特別な存在って言うことには変わりはない。


 


なんだろう、今までにない胸の奥底から込み上げる
暖かい気持ちとか感情が私を優しく包み込む事がある。



 
それは紛れもなく、拓弥先輩に対してだ。



 

その感情は他の時と違って、上手くコントロールができない。
自分の意思じゃ動かせない何かが前のめりに

先走って、行動に起こしてしまう。






ただね、どうしても納得出来ないことが一つだけあるの。



 



何で、好きでもない相手からの手を繋ぐ仕草や
抱き締められることに抵抗出来なかったのか。



 

私にだってある程度、好きな人、そうではない人との

一線を越える範囲が決まっている。



 



じゃあなんで、拓弥先輩からのその行動に
繋がれた手を、抱き締められた腕を





自分から振り払うことが出来なかったんだろう。





頭を撫でられた時だってその温もりが
むしろ嬉しかったり、安心した。



 
 
 
拓弥先輩の事を思う。考える。



 



ふと不意に過ぎる拓弥先輩の微笑み。






 
温か過ぎる、輝いているその微笑みが私の中の何かを
熱くさせた。


 




ピーーー






窓越しから聞こえる笛の音。
ふと視線を落とすとその先には汗を流し

他の部活の仲間と笑いあう拓弥先輩の姿。







綺麗だ、とっても………。


このまま見つめていたらきっと、日が暮れる。


 


朝陽に照らされた拓弥先輩がやけにキラキラ輝いて見えて
目が離せなかった。胸が苦しい、


 

 

嫌なことがあった訳じゃないのに…


 



 

………胸が、いたいよ。





じっ…と見つめてると顔を上に上げた
拓弥先輩と不意に目があった。





無言でニコッと微笑む拓弥先輩。






…………あ、………っ、…



 




それと同時に胸の奥から込み上げて
止まらない感情が瞳に雫を溜める。





「……………っ、………、」






やっと、……やっとだよ。


 



やっと分かったよ。






 



 

 
 
 
 
 


………拓弥先輩が、好き…。

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作者名:れんちゃむ | 作成日時:2017年8月27日 0時

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