冷酷な王子に恋、始めました。Takuya.K (ページ24)

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23love ページ24

「…真美っ！………昨日は、その、…ごめんっ………！！」

教室に入ってすぐに教室の片隅の
窓から朝練している部活をただ真っすぐ見つめる
真美のもとへ声をかけた。

真美「えっ？別に、」

………はい？

ふわっ…と髪が舞い振り返った
真美の顔は、きょとんとしていた。

まるで、何もなかったのかのように。

なんでそこまで、驚いているのか間抜け顔をしているのか
そう考えたら私まで口をぽかんと開けた不思議な表情をしていた。

「怒らないの？」

真美「いや～、別にね。草川先輩のところ行った後だったし……

　 …………なら、いいかなぁって(笑)」

「ほんと？……良かったぁ。」

真美「でも、放課後になっても帰って来なかったのは予想外。
　
　そこは真面目に驚いたわ。」

　
　

真美の対応にほっ…と肩を撫で下ろして身体全体の
固まった何かが優しく解けていったところに

昨日のあの恐怖の放課後の話をされて身体がびくっ！！と

反応する。

「………それがねぇ…、──‥」

昨日のお昼からの出来事を全て
真美に細かく淡々と説明していく。

　
真美は時々「うおっ！」とか「きゃぁ～！」

とかやたら豊かな表現力で私を煽る。

　

真美「………あの、ツンデレさんが……………ねぇ(笑)」

とケラケラ笑ってる真美が何か
あほっぽくて可愛い。

本当、この性格がちょっと直るだけでもっとモテるのに。

　

真美「────‥‥わ。」

「……え？」

真美「………ふっ、…ううん。何でもない。後は自分でじーっくり

　考えて？…………………草川先輩の事、どう思ってるか(笑)」

　
私の右肩をぽんっ…と軽く叩いて
自分の席へ颯爽と戻っていく真美。

　
……何気に痛いんだけど。

大体、意味深。拓弥先輩の事、別に何とも思ってない。

答えは出てるんだ。今まで出会ったことのないタイプの
人間だから私が、勝手に興味本位で懐いてるだけ。

私のことバカに見たりする男子今まで居なかった。

むしろ、自分の脳内で理想を作り上げてそういう人間だと
判断する人も多かった。

でも、私は本心を、ありのままの気持ちをさらけ出して
ぐさっとくる言葉を投げられた方が嬉しい。

　

その方が、信頼されてるなぁって感じる。

　

　
そんな人に、出会えたのが初めてだからなんだよ。