15love ページ16
「お、起きてたのっ！？」
拓弥「ん。今起きた。」
び………っくりしたぁ……………。
急に目が開いて、しかもあんなこと言われて
自分のしたことに顔がボッ…と熱くなるのがわかる。
拓弥「てか、何？見惚れてたの？(笑)」
「…………んー、………そ。」
ヤバいっ！照れる。こんなこと言うの初めてで
認めるのがどれだけ恥ずかしかったか。
顔から火が出そうってこういうことを言うのかな。
拓弥「…っ………認めんな…」
「…いてっ……。」
ちょっと照れ臭そうに顔を赤らめながら
私の頭をコツン…と軽く叩いた。
「だって、………そーなんだもんっ。」
拓弥「冗談なの。本気で返して来るな。」
あぁ、久しぶりにあの顔に戻った。
あの、私を警戒するようなちょっぴり怖い目。
……失敗したなぁ。
って思って俯いた。グレーのコンクリートが
ちょっとずつ濃く染まっていく。
頬に伝う粒が零れ落ちる度鼻にツンっとした
痛みが軽く走る。
グイッ
と顎が急に持ち上げられて
気がついたら自分の目線は
無理矢理動いて綺麗な顔立ちの拓弥先輩に向いていた。
拓弥「気ぃ、狂うから。」
「………えっ、」
拓弥「そんな急に、認めたら気狂うから………っ。
だから、泣くな。」
そう言って瞼から零れる涙を
親指で拭き取ってくれた。
……ごめんな。と呟きながら。
拓弥「このまんまじゃ戻れないだろ…。
しょうがねぇな。
…………サボるか。」
「サボる……っ…、のはダメだよっ。」
拓弥「いい。泣き止むまで一緒に居るから。」
私の反対を無理に押しきって
心配そうに見つめる拓弥先輩に
また、涙を流してしまった。
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作者名：れんちゃむ | 作成日時：2017年8月27日 0時
