11love ページ11
お昼の時間。
大好きなSWIMMERのリュックからお弁当を取り出す。
もうお腹ペコペコ。
でも、これから行く当てがあって。
はぁっ…と溜息を零してさぁ、行こう。
そう思って足を無理矢理上げて歩き出す。
そんな脚を見ながら
……もっと脚細かったらなぁってつくづく思う。
そんな、アホみたいな考え事してたら
軽くスマホがバイブしたのが分かった。
スカートのポケットから取り出すと
T.Kパン
たった一言。
しかも買ってこいって事を強調するように
“パン”だけ。
…分かってるよっ！だから、買いに行ってあげてるんじゃんっ……！！
そう思ったらムカムカしてきて
そのまま返すこともなくスマホの画面を消した。
………うわぁ〜、相変わらず凄い人混み。
行きたくない。それが率直な気持ちだった。
でも、しょうがない。
私は背が低い方だから人混みの中にできる
小さな隙間をうまくヒョイッ…と抜けて
お目当てのパンを取った。
……これ、私意外と向いてる(笑)
「おばちゃんっ。これっ。」
「250円。ありがとうね。」
買った後はとにかくダッシュ。
あれ…？でもどこに居るんだろう？
T.K屋上。よろしく
屋上っ？！
立入禁止じゃんっ！
しかも何気に遠い…………。
「……拓弥先輩めっ……！」
と拓弥先輩への少しむかつく思いを
バネに屋上へ急いだ。
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作者名：れんちゃむ | 作成日時：2017年8月27日 0時
