殺し屋彼女の見るものは4 【赤羽業】 (ページ18)

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視線153 ページ18

タコがカエデを捕まえたのと同時に、私は渚に向けてワイヤー銃を放ち空中で勢いよく火の中へと引っ張り上げた。

カエデの攻撃に腕の力を使いすぎて若干ビリビリしたけど、渚がちゃんと着地をしたのを確認した。これで私の仕事は終わりだ。

渚「ありがとう、Aさん」 

『良いから、殺ってきな。カエデを頼んだ』

無言で頷いて、渚は文字通り、カエデの殺意を殺した。

『それにしてもまさかのディープキスを選択したか。やるねぇ』

渚「殺意を一瞬忘れさせるには有効かなって」

軽口は言ってるけど私は本当に安堵して、カエデの側に行きたいのにその場にしゃがみ込んでしまった。

中村さんが携帯を持って渚をいじり、ほかの人がカエデの心配をしてる中、さりげなく私の手を掴んできた隣人に謝った。

『ごめん』

カルマは同じようにしゃがんでた。

カルマ「何の謝罪な訳？」

『心配させたことの？』

まぁいくらカエデを助けたかったと言っても、恋人の手を振りほどくのは多分いただけない。

カルマ「慣れたって言いたいけど、こればっかりはいつも生きた心地がしない」

『思いっきり振りほどいてごめん』

カルマ「次からナシにしてよ」

 『、、、善処はしてみる』

カルマ「信用ないね～」 

『うっ、、、』

ほら、と言われて立ち上がって。カエデの方に向かった。

カルマ「それにしても先越されたな～、俺だってまだAにディープキスできてないのに」

『いきなり何言ってんの⁉』

そもそもキスですら、まだやってないんだし、、、。

カルマ「もしかして、期待してる？キス」

ボボっと顔に熱が集中して、私はカエデの方に走りながら思いっきり反論した。

『今はそんな場合じゃない、バカ！』

その後ポツリポツリとカエデが自分のことを話して、そして改めて演技なしでE組の一員に戻ることになった。

するといきなり、タコ目掛けて発砲音が響いた。

そこにはシロ、改め柳沢がいた。

その姿を認識した瞬間、私は麻酔銃を発砲した。

柳沢「いきなり物騒なことをするな」

『言ったよね？次ちょっかいかけて来たら潰すって』

柳沢「たかが麻酔銃で？本当、兄妹揃って腑抜けたなぁ？」

その言葉に、私は一気に全身の毛が逆立つのを感じた。