視線127 ページ33
『私はさ、ちょっと怖いよ。ずっと皆を守るって言っておきながら、それが全部裏目にでることが。そもそも殺すため以外に力の使い方を知らない私が』
あのあと研究所のデータを奪って、兄さんを装置ごと病院に搬送した。研究所は徹底的に爆破した。
でも生き返る確率は限りなく低いらしい。
説明を終えた拓兄も、防衛省に連行され多分もう私に会ってくることもないだろう。
私も、きっと組織では裏切り者認定されただろう。死神の暗殺を妨害した挙句、組織の研究所を潰したんだから。
そのうち追手か刺客が送られてくる。
だから、せめて、
『私、この教室出るよ』
皆をこれ以上巻き込みたくない。
今更だけど、これ以上私を狙う組織の目が皆に向かないように。
『また挨拶せずに出ることになるけど、皆に代わりにごめんって言ってもらえると嬉しい』
全部裏目にでる前に、自分から消えたほうがマシだ。
カルマは終始無言で聞いていた。
何か、言って欲しいんだけども、、、。
カルマ「俺さ、Aちゃんを守るってずっと言ってたけど、結局いつもAちゃんが怪我するの止められなくて、どうすればいいのかちょっと悩んでたんだよね」
『そんなの!』
カルマのせいじゃないと言おうとして、制された。
カルマ「そしたらあのタコに言われたんだよ、
(殺「大切なのは君が彼女を守ろうとするその意志、そして方法です。あらゆる危険から遠ざけることだけが守ることじゃない。カルマ君自身が、彼女をどう守りたいかもう一度考えてみるといいでしょう」)
ってね」
ずっと前を向いて居たカルマが、今度は私の顔を正面から見返した。
カルマ「俺はAの隣に居たい。何でもかんでも一人で背負いこむAの過去も全部、一緒に背負わせて。俺にAを支えさせて。Aのお兄さんと拓兄さんが守ろうとした分まで、俺に守らせて」
あの夏の浜辺で、私に告白して来たカルマの顔が重なる。
カルマ「そのためなら、俺はいくらでもE組の奴らを説得するし、誰がAを狙おうと、俺は隣で一緒に戦う。これが俺が考えた、俺なりの守り方だよ」
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秋田の肋骨 - これ読みながら「ヌルふふふふ」って声が漏れてて、「なにアンタ殺せんせーじゃあるまいし、、、」って親に呆れられました笑 そんぐらい面白いです!!! (8月12日 18時) (レス) @page46 id: 93fef38cdf (このIDを非表示/違反報告)
Reload(プロフ) - コメントありがとうございます!その発想はありませんでした!夢主が事件を解決!?ってのも面白いかも(笑) (2021年3月9日 12時) (レス) id: 1005ca89d9 (このIDを非表示/違反報告)
もち - ほんとごめんなさい、カルマの女が科捜研の女と重なってずっと笑ってましたwww (2021年3月7日 15時) (レス) id: 54667db88c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Reload | 作成日時:2020年4月29日 14時