【歌い手】悪女屋さんーEinsー

#2 ページ42

センラがお手洗いに行くっていうから一人で見回っていると


さっき気になっていたものがまだ残っていた


あぁ、良いな


『あいつのためじゃないし！自己満足だし！』


なんて屁理屈言って買ってしまった


センラみたいな銀色と琥珀色のような金色のような石がはまったネックレス


お財布は寒くなったが心は暖かくなった


昔のセンラは可愛かったのになぁ


ベンチに腰掛けぶらぶらと足を動かしながら考えてしまう


昔は雅！雅！大好き！って言いながらついてきてくれてのになぁ



京都から引っ越してきたセンラと一番仲良かったのは自分


友達がいなくて不安だったセンラとお隣さんになったのも自分


そのなかでセンラが一番大切なひとになっていったのも自分




それなのに、


『中学以来かなぁ、チャラくなったのは』


いきなり、中学にはいってからピアスを開けて髪を染めて女遊びも激しくなって


私との距離もどんどん遠くなって嫌ってきて


それなのに、どんどん私は好きになって


馬鹿みたいだった


でも、そんなときだった


ホントにセンラは私のことを女として見ていないと知ったのは



セ「お前、ゴリラみたいやな」



男子にとってはただの一言だったのかもしれないし


悪口かもしれない


でも、私にとっては


ナイフで胸を抉るよりも痛くて、目の前が真っ暗になって、今にも飛び降りようとしてしまうほど




ただ



"痛かった"



それ以来、私はセンラに冷たくした。センラを無視した。センラが嫌いに


なれなかった


馬鹿馬鹿しい小学生からの恋心が高校になってまで続いている



『やっぱり馬鹿やなぁ』


少し涙目になりながら女の子に囲まれているだろうセンラを迎えに行こうと腰をあげたその時







「大丈夫？泣いてるの？ホテル行く？」

「暇なら一緒に遊ばない？お家に行く？」

「君、かわいいね」

「俺と遊ばない？」




ナルシスト系の男性に囲まれたのは

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