標的30 姫は俺のもの−１ ページ32
トーマ視点
――ガラッ！
勢い良く体育館の扉を開けると、其処にいたのは髑髏とマーモンだけだった。
ザンザスの銃撃を受けた体育館の天井は半分程破壊され、破片が散乱しているが二人もポールも無事らしい。
ボクは髑髏の元へ駆け寄る。
ボクを確認した髑髏は安堵の笑みを浮かべ、マーモンはチッと弱々しく舌打ちをした。
先程と同じ方法でポールを破壊しようとした時だ。
「ちゃお」と背後から声を掛けられたのと同時に、何かが空気を切る音がしたのは。
ボクは咄嗟にペンダントを棍に変えて、振り向き様に投げられた数本のナイフを弾き返した。
棍を構えて相手を見れば、入口に立っていたのは やはりベルフェゴールだった。
「ベル！」マーモンが明白にほっとした。
ベルフェゴールは無数のナイフを扇の如く広げ、徐に此方へ歩み寄って来る。
｢しししっ。滑稽だな、マーモン。
そんなに床と仲良くしたいわけ？｣
｢そんな訳、無いだろ……！
……早く、僕を助けて！｣
｢あん？ それが人に頼む態度なの？ え？｣
苦しむマーモンを見るのが余程楽しいのか、ベルフェゴールは「しし」と独特の笑みを浮かべる。
マーモンが言い淀んだ処で、ベルフェゴールはボクに顔を向けた。
｢わざわざ俺に捕まりに来てくれてご苦労さん｣
｢何の事？ ボクは髑髏を助けに来ただけだ。
君達の味方になるつもりは無い｣
｢あっそ。じゃあ力づくで王子の物にしてやんよ｣
ベルフェゴールがナイフを投げた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 186人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆきな(プロフ) - これからも無理せずに頑張ってください！ (2019年7月2日 18時) (
レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
シロ(プロフ) - 続編おめでとうございます！いつも楽しみにしております！これからもどうぞ無理をしない程度に頑張って下さい。 (2019年4月27日 13時) (レス) id: 1e9e5f7638 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：レイチェル | 作成日時：2019年4月27日 10時
