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標的8 王子様とお仲間−2 ページ23

「な? 耳塞いどいて良かっただろ? 俺は耳が痛ぇ」

「そうですねー。塞いでいても痛いです」

「そいつは誰だぁ?」


鮫さんが左腕と同化しているらしい剣を此方に向けた。

剣先がきらりと光る。

いきなり拉致された次に殺されるのは勘弁だと、王子様の服を掴んでしがみ付く。

此処は王子様の城だから、王子様に助けて欲しい。

しかし、あたしを見下ろす王子様は、満足気に笑うだけで何もしてくれない。下ろしてもくれない。

あたしを拉致したのに、殺されても良いのか。

不安になっていると、「んま!」、と明後日の方から裏声みたいな高い声が聞こえて来た。

今度は誰だろうと其方に視線を移し、ぎょっとした。

サングラスを架けた、緑色のモヒカン頭の女性(?)が、身体をくねらせていたのだ。


「ベルちゃんたら、ついに小学生まで連れて来ちゃったのね」

「うっせーよ。
つーか、『ちゃん』付けんじゃねぇ」


此方に寄って来たモヒカンのお姉さんに、王子様が蹴りを入れた。

げしっ、と痛そうな音がしたのだけれど、お姉さんは全く気にしていないご様子。

女性にしては随分と高身長でがたいが良いし、如何にもな筋肉質だからだろう。

お姉さんは、未だ王子様に抱えられている あたしを見下ろした。


「始めまして、お嬢ちゃん。
お名前はなんて云うの? 何歳かしら?」

「こんな格好ですみません。
あたし、麗羅って云います。十二歳です!」

「「はぁあああ!?」」


あたしが王子様の腕の中ではきはきと答えると、三人が驚愕の表情を浮かべた。

鼓膜が破れそうになったくらい、大きな声が城中に響き渡った。

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作者名:レイチェル | 作成日時:2018年3月14日 14時

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