【リボーン】並盛に舞い降りる白雪 (ページ1)

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標的１　見えない白雪－１ページ1

麗羅視点

｢待って下さーい、麗羅ッ｣

｢ダメだよー。
早くしないと、今日のご飯がなくなっちゃう！｣

｢だからって、早過ぎですーっ｣

息を切らしながらあたしの後を追って来る、エメラルドグリーンの髪に林檎帽を乗せた少年の名は、フラン君。

フラン君は疲れているのか、呂律が怪しくなりながら言った。

けど、あたしこと麗羅は、軽やかな足取りで樹から樹へと飛び移る。

あたしとフラン君は山奥に住んでおり、今は本日の晩ご飯の主菜となる魚を捕りに行く為に、川へと向かっているのだ。

日は既に沈み掛けていて、急がないと魚を捕るにも周りが見えなくなってしまう。

その為に、あたしは後ろでフラン君が必死に付いて来ているけれど、速度を落とさない。

そして、そんな時に決まってフラン君がする事と云えば、

｢霧、ときどき林檎ー｣

単調な声でそう呟いて、あたしの目の前に幻覚の霧や何故か巨大な林檎を創り、あたしが先に進めないようにする事だ。

でも、あたしが霧を掴むように手を伸ばすと、霧も林檎も一瞬で消えた。

一応薄っすらとは見えるのだけど、あたしには幻覚が一切効かないのだ。

｢なんで効かないんですかー？
喧嘩売ってんですか？｣

｢違うよ！
って、何時も言ってるけど、あたしにも分からないんだってー｣

｢そんなの知りませーん｣

｢知って！？｣

そんな会話をしながらご飯を捕りに行くのは、もう日常風景になっている。