薄くて厚い壁_takahide.s_ ページ9
『たーかーひーでっ?』
「なに?何も奢んないよ?」
『別にそんなんじゃないし』
「で?用件は?」
『早く帰ろー?』
「いや、俺 貴女の補習が終わるのを待ってあげてたのに??そんな言い方ないんじゃないかい?」
『それは、ありがとう♡』
「ジュースね」
『はいはい、カルピスね』
昂秀とは幼稚園からの幼馴染み。
家が特別近いわけでもないし、親がめちゃくちゃ仲がいいわけでもない。
昔っからなんとなく一緒にいる。それが高校3年になった今も続いてるだけ。
って、昂秀は思ってるかもしれないけど、
私は違う。
小学5年生くらいだったかな?それからずーーーっと片想い。
昂秀が私の事を一切 そーゆー風に見てないのだって知ってるし、分かってる。
もちろん、私も告白された事はあるけど全部断ってる。
でも、昂秀はこんなお気楽野郎だけど
顔はいい。運動神経抜群。優しい。etc……
諸々の理由で、頻繁に告られては昂秀のタイプの子だと付き合ってる。
その度に1番に私に報告してくるから、ぎゅーーーって胸が苦しくなる。
いい加減 諦めたら?って親友には言われるけど、それが出来るなら、とっくの昔に諦めてるちゅーの。笑
「あ、そうだ」
『なに?』
「俺さ!!彼女できた!!」
『.........そう』
「あのね!今度は続くと思う!」
『あんたそれ毎回言ってるからね?』
そう、昂秀は付き合っても半年もせずに別れる。そして、彼女が出来る。を繰り返している
とんだ遊び人の様にも聞こえるが、毎回が本気で恋して、楽しんでるのを1番近くで見てる私は、そっと見守る事しか出来ない。
『で?誰なのよ』
「あのね......ララハちゃん!」
ララハちゃんって、確か学年で1番可愛いって噂の......しかも、頭も良くて性格もいい。
かつ、男ウケしやすい感じの見た目の子でしょ...??
私とは正反対ってわけね。笑
『いいんじゃない?ララハちゃん 可愛いし』
「やっぱり!?Aもそう思うよな?」
『そーね、まぁ頑張りな?笑』
「いやー、けどあんな可愛い子隣りにいると照れるわー笑」
隣りにいすぎた所為かな...笑
もう当たり前みたいになってるけど、いつかは昂秀の横は私じゃない誰かになるんだ。
『昂秀、なら明日からはララハちゃんと学校 行きな?』
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作者名:石榴 | 作成日時:2018年9月22日 22時