百七十一歩目。 ページ22
―Aside―
今日のヒーロー基礎学の授業は実習でＢ組との対決。
あんまり関わりがないから興味はあるけど、みんなみたいにわくわくはできない。
まぁ、気分の問題なんだけども。
１限終了後の休憩中に目良さんから電話がきた。
今は月に一、二回の頻度で公安の関係施設に足を運んでは健康診断を受けたり採血したりしてる。
特段異常はないし、至って健康。"個性"が増えても他に影響なし。
周りに知られると面倒だから学校がある日に連絡がくるのは珍しい。
内容的には今すぐ来て欲しいってことだったけど、授業があるから無理だと断った。
そしたら
［これから何かしら身体に異変が起こるかもしれません。できるだけイレイザーヘッドの近くに居るようお願いします］
とのこと。はい？？ってなるよね。詳細聞いてもまだ言えないとも言われた。
つまり、私に言えるようになった時には私になにかしらの異変が起こった後ってことだ。
今のところ何も起きてない。
相澤先生が関わってるとなると確実に"個性"関連のことなんだろうけど、皆目見当もつかん。
離れてても起こるってことは物理的なものじゃないのかも。
マンダレイの【テレパシー】とかそっち系。
でもなぁ、私【遮断】あるから平気だと思うんだけど...
「ついにこの時がきたー！！わくわくするねー！！」
「葉隠、寒くないの？」
「めっちゃさむーい！」
「根性だね」
『上着かそうか？』
「大丈夫！寒さにも慣れておかないとだしね！」
『たしかに』
もう寒い季節だ。透ちゃんが一番寒いだろうけど百ちゃんもマント羽織っただけだから寒そう。
みんな冬仕様になってたりするし入学初期と比べたらだいぶ変わったなぁ。
私は特に変更なし。オールシーズン着れる素材です。
相変わらず沸点の低い爆発くんとメンタルが強くなった緑くんの会話を眺めていれば、人の気配と聞き覚えのある声がした。
「まぁ、随分とたるんだ空気じゃないか。僕らをなめているのかい？」
「来たな。ワクワクしてんだよ」
「そうかい。でも残念、波は今確実に僕らに来ているんだよ。さぁＡ組！今日こそ白黒つけようかァ！！」
Ｂ組も揃ったところでヒーロー科のキャラの濃さがよく分かる。
Ａ組に比べたら落ち着いた子が多そうだけど、コピーくんのクセが強すぎるな。
人の気配が増えてそっちを見れば相澤先生とブラド先生が。
『？』
「キョロキョロしてどうしたの？」
『なんか、心操くんが居る気がして...？？』
▽
続く
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作者名：えると。 | 作成日時：2023年3月30日 22時
