31-赤豚 ページ31
「シッマ、お前何したん？言えんのならシャオロンに聞いてもえぇんやで？」
書類をすっぽかして内ゲバを始めていたらしいが、バグローヴィのお蔭で被害はいつもの10分の1で済んだ。これはボーナスをあげたいくらいの功績や。なのに本人は医務室に居るらしい。
「質問変えるけど、なんでグラナートのほっぺたが片方赤くなってたの」
「内ゲバ止められて、気に食わんかったんとちゃうか？それで手ぇ上げたんか？」
バグローヴィは軍の司令官の中で唯一幹部ではない。同期就任予定だったエーミールや後輩にあたるショッピやチーノでさえ幹部に昇格しているのに、彼は幹部補佐の地位に落ち着いている。
「あいつ、何モンやねん」
「今はその話はしてへん。正直に言え。じゃないと粛清は免れんぞ」
「内ゲバ止められて、むかついて、ひっ叩いた」
シャオロンの証言によると、鞭とダガーで止められたらしい。拳銃を弾き飛ばすように銃口を避けられ、峰とは言え喉元にダガーが触れた。それが余りにも素早く、無駄の無い動きで、尚更むかついたと。バグローヴィからすればとばっちりと言うか、理不尽だっただろうに。
「ちゃんと謝りなよ。グラナート、今日は休日だったのに」
「ひとらん、なんでバグローヴィが休日って知ってるん？」
「スケッチブック持ってたでしょ。休みの日は庭で絵描いてるんだよ」
スケッチブックを投げ出して、庭を守ろうとした彼は今どうしているだろうか。貴重な休日が潰れたと拗ねているだろうか。しんぺい神に絡まれているのだろうか。
そもそも何故シッマは彼をそこまで嫌うんや？
「バグローヴィ、おる？」
「書記長、いかがなさいましたか」
「あー……うん、怪我の具合見に来てん」
「わざわざありがとうございます。怪我の具合と言っても、叩かれただけですが」
その物言いは淡々として、気に留めていない様で、壁があった。
「Aちゃん冷やしてるけど痛むんだったらまたおいで」
「お気遣いありがとうございます。では」
失礼します、とスケッチブックを抱えて、横をすり抜けていった。
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紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ＠pc垢 - ミツユキさん» 誕生日プレゼントとしてもう一話更新しました！大きく動いた回(?)となっております！ (2020年7月6日 22時) (
レス) id: a79284f49c (このIDを非表示/違反報告)
ミツユキ - 更新ありがとうございます。私の、最高の誕生日プレゼントになりました！ (2020年7月6日 18時) (レス) id: c04652f79c (このIDを非表示/違反報告)
紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ＠pc垢 - わぎゃあコメントありがとうございます!!コメント嬉しすぎて語彙力追い付かないです。現時点が今作一番の山場ですが、しっかりとハッピーエンドに向いますので！それまでもう暫くお付き合いくださいませ！ (2020年7月5日 22時) (レス) id: a79284f49c (このIDを非表示/違反報告)
碧 - コメント失礼致します。とても丁寧に作り込まれたお話で、私の語彙力ではこのお話の素晴らしさを言い表すことが出来ません…！軍パロ作品の中でも特に繊細に作られたお話だと感じました。これからも素敵なお話を楽しみにしています！長文失礼致しました。 (2020年7月4日 17時) (レス) id: 7cbe04ba0e (このIDを非表示/違反報告)
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