04-赤蜘蛛 ページ4
「総統閣下、見つけましたよ」
「げっ、!」
総統閣下改め、グルッペン・フューラー様を城下町のケーキ屋で捕獲。要塞から脱走した場合、自分が駆り出される。無論書記長の味方なので厄介ごとに巻き込まれる前には連れ帰る。
「バグローヴィも荷担してるんだな……」
「書記長より仰せつかりました。残りのケェキはテイクアウトいたします。今日締め切りの書類が三部、明日午前締め切りが」
「わかったわかった!!と言うか何故締め切り書類の数まで知っている!?」
書記長が嘆いていらっしゃったので、と端的に答えれば何とも言えない微妙な顔をされた。そんな表情するくらいなら始めから脱走を企てなければ良いはずでは?
「あ、あのバグローヴィさま!」
「嗚呼、テイクアウトの用意が済んだか。ありがとう、世話をかけた」
「いえ、いえいえ!こちらこそいつもありがとうございます!」
包みを預かり、総統閣下の後ろに控える。ケェキは人質のようなものだ。警邏活動は一旦中断して要塞にトンボ返りしなければならない。
「俺の方が上司なんだが……」
「ならば上司らしく仕事をなさってください。それまで自分は書記長の味方ですので」
「ぐぬぅ」
睨まれているけども全く怖いとは思わない。三徹の書記長の方がまだ怖い。気迫というか、あれは何が乗り移ってるんじゃないか?粛正剣片手に書類を提出しない幹部を追いかける様は大天使と呼ばれた面影が消滅している。
「申し訳ありません総統閣下、寄り道してもよろしいでしょうか」
「寄り道?」
「青兎部隊司令官を見つけましたので」
遠目に見つけた藍色の頭髪と同じ色のスーツは彼に違いない。横にいる女性は前回と違う。一般兵にまで噂が広がっているが、ここまでとは思わなかった。女性が離れた頃を見計らって、近づく。
「青兎部隊司令官、見つけましたよ」
「げ、Aちゃん」
◆メモ◆
総統閣下:グルッペン・フューラー
書記長:トントン
射撃部隊司令官:鬱先生
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紅鴇ベニトキ@pc垢 - ミツユキさん» 誕生日プレゼントとしてもう一話更新しました!大きく動いた回(?)となっております! (2020年7月6日 22時) (レス) id: a79284f49c (このIDを非表示/違反報告)
ミツユキ - 更新ありがとうございます。私の、最高の誕生日プレゼントになりました! (2020年7月6日 18時) (レス) id: c04652f79c (このIDを非表示/違反報告)
紅鴇ベニトキ@pc垢 - わぎゃあコメントありがとうございます!!コメント嬉しすぎて語彙力追い付かないです。現時点が今作一番の山場ですが、しっかりとハッピーエンドに向いますので!それまでもう暫くお付き合いくださいませ! (2020年7月5日 22時) (レス) id: a79284f49c (このIDを非表示/違反報告)
碧 - コメント失礼致します。とても丁寧に作り込まれたお話で、私の語彙力ではこのお話の素晴らしさを言い表すことが出来ません…!軍パロ作品の中でも特に繊細に作られたお話だと感じました。これからも素敵なお話を楽しみにしています!長文失礼致しました。 (2020年7月4日 17時) (レス) id: 7cbe04ba0e (このIDを非表示/違反報告)
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