29-赤蜘蛛 ページ29
昨日は兄様と軍曹様に付き合い、今日は有給という扱いになった。今日は昨日出来なかったひとらん様の庭に降りて描かせてもらう所存だ。心なしか足取りも軽くなる。今日は花壇の方をスケッチしようと、スケッチブックと数本の鉛筆達を片手に意気揚々と歩みを進めた。
「シッマの銃弾なんざ当たらんわ！」
「言うたなシャオロン！！」
聞き覚えのある声がしたが、差して気にしないでいた。今日は休日、今日は休日だ！だが留まること無く迫ってくる騒音にいてもたってもいられなかった。
「遊撃軍司令官！近距離軍司令官！」
まずい、このままでは庭が荒らされてしまう。せっかく育った植物が踏み荒らされてしまう。止めようとして上げた声は聞こえ無かったのか、あと少しで庭に到着してしまう。
「シャオロン様！コネシマ様ッ！！」
愛用の鞭でシャベルを振う腕を絡め取り、向けられていた拳銃を弾き飛ばすようにダガーで銃口を上に向けて銃弾から逃れ、不意打ちで驚いている隙に峰を首元に滑らせる。
「遊撃軍司令官、近距離軍司令官、ここはひとらん様の庭です。彼が丹精込めて育てた植物を踏み荒らすおつもりですか」
あと数歩動いていれば、内部ゲバルトの犠牲として植物が散っていた。ひとらん様の庭と聞いて、遊撃軍司令官が青ざめてシャベルを下ろしたので、ダガーを近距離軍司令官の首元から離した。
「お前は俺達を止めて偉くなったつもりか？」
近距離軍司令官の低い声にそちらを向けば、パンと頬を張られた。何故に頬を張られねばならないのか分からなかったが、申し訳ありませんと謝罪する。
「銃声が聞こえたから来てみたけど、どういう状況？」
「っひとらん、様」
「見たところ、グラナートが止めてくれたんだ？ありがとう。ほっぺた赤くなってるけど、なんで？」
「お気になさらず。庭は無事ですし、自分はこれで」
「ほっぺた、冷やしてきなよ。ぺ神に連絡しとくから」
先手を打たれてしまい、頭を下げて医務室に向う。落としたスケッチブックと鉛筆は、ひとらん様が拾ってくれていたらしい。
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紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ＠pc垢 - ミツユキさん» 誕生日プレゼントとしてもう一話更新しました！大きく動いた回(?)となっております！ (2020年7月6日 22時) (
レス) id: a79284f49c (このIDを非表示/違反報告)
ミツユキ - 更新ありがとうございます。私の、最高の誕生日プレゼントになりました！ (2020年7月6日 18時) (レス) id: c04652f79c (このIDを非表示/違反報告)
紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ＠pc垢 - わぎゃあコメントありがとうございます!!コメント嬉しすぎて語彙力追い付かないです。現時点が今作一番の山場ですが、しっかりとハッピーエンドに向いますので！それまでもう暫くお付き合いくださいませ！ (2020年7月5日 22時) (レス) id: a79284f49c (このIDを非表示/違反報告)
碧 - コメント失礼致します。とても丁寧に作り込まれたお話で、私の語彙力ではこのお話の素晴らしさを言い表すことが出来ません…！軍パロ作品の中でも特に繊細に作られたお話だと感じました。これからも素敵なお話を楽しみにしています！長文失礼致しました。 (2020年7月4日 17時) (レス) id: 7cbe04ba0e (このIDを非表示/違反報告)
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