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【センラ】甘味没収!/子 ページ8

※Eliceさん主催バレンタイン企画『スイートでビターなひとときをの【甘味没収!】の続きです。



今年は暖冬だから、もしかするとこの日には桜が見れるかなぁなんて、思っていたのにな。

案の定、暖冬と言っても3月中旬は流石にまだ肌寒くて、桜の蕾がちらほらと見える程度に収まっていった。

春休みに入っているせいで、運動部員らで埋まるグラウンドやちらほらと校舎内活動をする文化部の生徒を見かける程度で、それ以外は閑散とした廊下を走り、『英語準備室』と掛けられている教員室の扉をノック無しに開ける。

本当はノックくらいはするつもりだったのだけれど、この『英語準備室』の五文字を見てしまうと、どうしても気持ちが逸るのを抑えられなくて。でもそこには運良く目当ての先生しか居なくて、私は息を切らしながら彼の驚いたように見開かれた蜂蜜色の瞳を見つめながら「せんせい」とつぶやく。

久しぶりに着たこの高校の制服。久しぶりに見たセンラ先生の顔。久しぶりの、この教員室。再生紙のダンボールみたいな匂いと、それに混じるココアの甘い匂いと、仄かに鼻をくすぐる先生の香水の香り。

そのどれもがびっくりするぐらい懐かしく感じて、私は涙を抑えられそうになかった。


「……せん、せ」


先生、せんせい。

私、来たよ。卒業して、先生と約束した通り、この日に来たんだよ。大学合格したよ。先生が放課後に英語いっぱい教えてくれたおかげだよ。

せんせい、すきだよ。ずっとずっと好きなんだよ。先生、せんせい。

言いたいことはたくさんある筈なのに、なんにも出てこなくなって、先生の顔を見ると、涙ばかりが出てきてしまって。

(あぁ、さいあくだ)

先生に久しぶりに会えるから、気合い入れてメイクしたのに。ちょっとでも可愛く見えるように、大人っぽく見えるように。先生の隣に居ても恥ずかしくないように、コスメも新しく買ったりして、頑張ったのにな。

……わたしの、ばか。


「な、……なんで泣いとるん」

「っうぅぅ……わかんないぃ……せんせぇぇえ……」


戸惑うばかりの先生に抱きついて、私はわんわん泣きわめいた。戸惑いつつも呆れた顔で、先生は私の背中を撫でてくれた。優しいその手つきにまた涙が後押しされるみたいに流れていって、私はしばらく先生の腕の中で子供みたいに泣き続けた

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雨上がりのcrew(プロフ) - ところで、甘味没収のときのセンラさんは夢主ではなく他の人と結婚をしていたのでしょうか、、、?隠し持っていた結婚指輪と書いてあったので、、、 (2019年7月16日 0時) (レス) id: 11f12a305b (このIDを非表示/違反報告)
雨上がりのcrew(プロフ) - すごい。。。この作品私得←これからも更新頑張ってください!! (2019年7月16日 0時) (レス) id: 11f12a305b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:作者一同 | 作者ホームページ:***  
作成日時:2019年7月15日 14時

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