42話-主人公side- ページ42
師範は信じられない、というような顔をしていた。しかし、これは事実でしかなく、もう隠し事はない
実「…まさかとは思うが、列車に乗ったのは」
『杏寿郎を救うためです。私の前世では、杏寿郎は上弦の参によって殺されました』
実「…!!」
『この先、鬼殺隊総出で無惨と対峙することになります。あと一歩で無惨が死ぬという所で、 奴は全てを私に注ぎ込んで鬼にし、その場にいた者全員を殺させました』
実「!!」
『しかし、その戦いで弱っていた無惨は死に、それと同時に私も死にました。私が再び鬼のままこの大正時代に戻ってきたのは、その運命を変えるためだと思います』
今でも、もっと早く思い出していれば、千尋さんを鬼にされる前に助けれたかもしれない。錆兎を最終選別で救えたかもしれない。炭治郎の…私の家族を救えたかもしれないと後悔している
でも、後悔するだけではいけない
この先、私の記憶の中で命を落とす人は大勢いる。全ては救えないかもしれない。それでも、私が存在することで1つでも多くの命を救うことが出来るのなら、どんな厳しい道が待ち受けていようと挑み続ける
実「…教えろ」
『え?』
実「お前が覚えている、知ってる範囲でいい。いつ、誰が、どこで死ぬか教えろ」
『!』
実「手伝ってやるよ、その運命を変えるために」
『信じて…くれるんですか?』
実「今までお前は、まるで先を見据えているかのような動きをしてたしな。話を聞いて繋がったぜ」
『…ありがとうございます!!』
こんな非現実的な話、普通なら信じてくれない。信じたとしても、私の前世は竈門炭治郎。師範にとって嫌な思い出の多い人物。協力なんて、そうそうにして貰えるものじゃない
(やはり師範はとても優しい人だ)
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作者名:ホタル | 作成日時:2020年1月31日 0時