30話-主人公side- ページ30
「ヒナタ、起きなさい」
そんな優しい声が聞こえ、目を開けると、そこには死んだはずの彼女…千尋さんが居た
『千尋さん…?ここは…』
千「三途の川を渡る一歩手前」
『!!?』(ガバッ
急いで起き上がると、近くに川と彼岸花の花畑があった。どうやら、私は死にかけているらしい
千「全く、いくら鬼の血が入ってるからって無茶しすぎよ!私がここに居なきゃどうなってたことか」
『すみません…』
千尋さんは、幼い頃の私を拾い育ててくれた恩人。そして、私がこの手で殺してしまった人物だ
千「謝ってる暇があったらはよ帰んなさい。きっと今、大騒ぎになってるわよ」
『…私のこと、恨んでないんですか?』
千「あら、そんなこと気にしてたの?」
『私は…っ』
早くあの記憶が戻っていれば、彼女を救う手だてがあったかもしれない。もっと、実力をつけていれば…
千「私は貴方が生きているだけで十分よ。それに、私を『助けてくれてありがとう』」
『…!!』
千「ほら、行きなさい」(トンッ
千尋さんに背中を押された途端、目の前は一気に暗転した
そして、何やらワァワァと騒ぐ音と共に光が差し込み、そちらへ向かうとそこには
善逸に羽交い締めにされている伊之助
ヘタり込んで泣いている炭治郎
私に掛けられている布団にしがみついている師範。それを慰めるように手を置いている杏寿郎
共に呆然としているカナヲ、カナエ、しのぶ、アオイ
泣きじゃくっているきよ、なほ、すみ
『……何…この、混沌した…状態…』
何日眠っていたんだろうか
物凄い声がガスガスだ
あと喋った途端、皆ピタッと動きを止めるのを辞めてくれ。怖い
実「ヒナタ…?」
『ハイ…ヒナタです…』
実「ヒナターーー!!」
『グエッ』
突然師範が抱きついてきた。他の人達は口々に「奇跡だ」やら「ヒナタが生き返った」なんて言ってる
いや、ホントになにコレ
皆が落ち着きを取り戻し、しのぶに再度診察して貰っている時に聞いた話によると、突然私の怪我が塞がり始め、血を調べると鬼の反応が出たらしい
そして、私が鬼になってしまうのではと戦闘準備に取り掛かるものの、急に脈と呼吸が停止。人工呼吸や胸骨圧迫をするも効果なし。その為、死んだと思われてお通夜状態の時に私が息を吹き返したとの事
(ヤバい…あの時本当にやばかったんだ…;)
し「復帰したら不死川さんと暫く過ごしてあげて下さいね。あの人、ヒナタが眠っている間、結構無茶してましたから」
『…!わかった』
復帰後、師範からめちゃくちゃ説教された←
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作者名:ホタル | 作成日時:2020年1月31日 0時