芥川くんにはお姉さんが居ます！【文スト】2

弐拾漆 ページ3

人間でも、能力者でも捕まえるのは容易だ。




でも...




虎は如何やって捕まえるんだろう...？









貴『で、取り敢えずは街に出てきたんだけど...其れらしい姿は目視して無いんだよなぁ...』









倉庫とか漁ってるのかなぁ？




でも、人が居る処に出てきてるからなぁ...




そして、必ず決まって夜に通報されている。




流石は猫科...夜行性なのね。









貴『はぁ、本当に何処に居るのか...』




ﾓﾌﾞ「美人なお嬢さん」




ﾓﾌﾞ「俺たちと遊ばない？」









こう云うの、軟派(ナンパ)って云うんだっけ？




情報を得る好機かもね









貴『えぇ、構いませんよ？』









─路地裏─









貴『さっさと吐いてください。時間の無駄です』




ﾓﾌﾞ「し、知らねぇよ！！」




ﾓﾌﾞ「俺たちは虎なんて動物園でしか見たことねぇよ！！」




貴『...結局は時間の無駄ですか...

異能力【桜の園・想起】』









記憶を改竄させれば、私の事は思い出せない。



怪我はしてなくて佳かった。









貴『...もう少し探そう』









─街─









貴『...上から見ても判らない。居ないー！』







見えるとすれば、綺麗な夜景のヨコハマの街、ポートマフィアのビル位か。



せめて、虎の咆哮くらい聞こえたら判るのに...






貴『...今日は見付けられないのかな？』






流石に、寝ないわけにもいかない。



零時で切り上げる心算だ。



...と云っても、あと三十分だが。








貴『全く...今日は大人しく寝ているのか？』









ビルの上を転々と異能力で渡っていく。



虎なんて一度も見なかった。



見えたのは人間だけ。









貴『...零時だ。切り上げようか』









何の成果も得られずに帰る羽目になった。









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貴『ただいま』




銀「姉さんお帰り」




貴『ただいま、銀...黒蜥蜴の仕事はどう？』




銀「...広津さん怖いけど好き。立原は嫌い」









立原...道造だっけ？



鼻に絆創膏付けてる男の子だったよね？



広津さんは柳浪だったよね。



異能力者で、落椿と云う異能。



古株で私にも何かと教えてくれた優しい人なんだよね









貴『そう、でも立原くんは案外優しいのよ？』




銀「...姉さんは立原の事は好きなの？」




貴『え？...う〜ん、部下としては好きかな？』

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