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第83話 とどく ページ40

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「私とドンでまず上る。 その後皆を引き上げる」

「おう! みんな! 訓練通りやりゃ大丈夫だ!」

「全員無事に逃げ切るよ!」



エマが指示を煽ると、皆がそれぞれ手際よく動き始めた。



塀のてっぺんまで来たところで先に上にいたドンの手が伸びて、その手を掴んだ。

1番上に来て反対側を見る。



ノーマンの言った通り。





────崖だ






「さっきの“答え”だけどさ……」



底の見えない崖を目を奪われていると、ドンが隣に立っていた。

見えることない崖の底を見つめながらドンは言う。



「レイの意志を尊重して何も話さなかった。 アンナ達にも言うなってきつく口止めもした。 残念だけど、“あの夜”の出来事は全部Aの本心だ」

「……そうか」



分かっていたはずなのに、実際言われるとなにか切ないものを感じた。

けど、それが何なのか上手く言葉にできなくて、代わりに口から出たのはため息だった。



「だからさー」



頭を掻きむしりながらドンがそんな言葉を吐いた。

そして俺の両肩を強く掴み、俺に合わせて屈んで睨みつけるように目を合わせると、何故か叱られる。



「これが終わったら絶対話せよな!! じゃなかったら俺が許さねぇから!!!」

「なんでお前がそんな────」

「後悔してからじゃおせぇーからに決まってんだろ!! まだ手の届く所にいるんだから諦めんな!!!」




「 お前は“俺みたい”になっちゃダメなんだよ!!」




ポツリと雨粒が顔に落ちる。

その目は俺ではない他の誰かを見据え、掴む手から震えが伝わった。



────ドン、お前まさか……



言葉を唾と一緒に飲み込んだ時、ドンは俺の肩から力なく手を離すと、自身の袖で乱暴に目を擦る。



「わりぃ……つい本気になっちまった。 今はそれどころじゃねぇよな。 “アイツ”の分まで俺が頑張らねーといけないんだ……」

「ドン……」

「だからレイ、もう自分一人でとか考えんじゃねーぞ!! 次そんなことしたら俺も皆も許さねーからな!!」



「素直になれよ!!」と俺の肩を殴り、そのままドンは先に行ってしまった。

俺は肩を抑えながらドンの背中に吐き捨てる。





「……余計なお世話だっつーの」





言われなくても分かってら。


もう失わない。



“独り”になんてさせない。




Aに何かあった時は、今度こそ俺が────





「ほら、掴まれ」



塀を登るAに“手を伸ばす”。

第84話 独り→←第82話 だつごく



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設定キーワード:約束のネバーランド , 約ネバ , レイ   
作品ジャンル:アニメ
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みしょやす。(プロフ) - 雪奈さん» 雪奈さんコメントありがとうございます! 長らく更新できずにお待たせしてしまいました……。 これからも遅くはなりますが少しずつ更新していきますので変わらずご愛好よろしくお願いします(^∇^) (7月30日 18時) (レス) id: 5dafdcb4c2 (このIDを非表示/違反報告)
雪奈(プロフ) - ほんと、なんでめちゃ気になるところで終わりにするんですか?!← 続き待ってます!! (7月29日 17時) (レス) id: 08c5f26fea (このIDを非表示/違反報告)
みしょやす。(プロフ) - 羽鶴さん» はじめまして!コメントありがとうございます! いつもお楽しみいただけてこちらこそ感激です^ ^ レイはレイで一人で溜め込むけど、妹も妹で一人で溜め込む、やっぱり二人は双子といえど兄妹なんですよね… これからもそんな切ない双子を見守ってあげてください(*´-`) (7月3日 14時) (レス) id: 5dafdcb4c2 (このIDを非表示/違反報告)
みしょやす。(プロフ) - カナリアさん» 再びコメントありがとうございます! 神作は嬉しすぎてにやけました( ^ω^ ) 果たして続編行くまでに脱獄できるのか…この先もお楽しみあれ( ´ ▽ ` ) (7月3日 14時) (レス) id: 5dafdcb4c2 (このIDを非表示/違反報告)
羽鶴(プロフ) - はじめまして、羽鶴と申します。更新される度いつも楽しく拝読させて頂いてます…!妹ちゃんの健気さたるや尊い……けれどお兄ちゃんと段々拗れていき、遂に衝突してしまった切なさに何と言葉を表したら良いのか……これからの展開が楽しみです!応援しています! (7月3日 0時) (レス) id: 7e98098305 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:碧萌-みなも- | 作成日時:2019年5月30日 14時

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