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第72話 つかれた ページ28

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「もういい……ここで死のう」









それが、俺の出した最後の決断だった。



周りは崖、橋は本部から出ている一つだけ。

どう考えても無理だ。

何より……



「疲れた……」



……疲れたんだよ。



秘密を知ってからずっと計画を進めてきたのに。

お前らを逃がすためだけに、6年もの時間を使ったのに。





────それも全部無駄だった





親友1人救えなかった奴に何ができるっていうんだよ。


とにかく今は、この絶望の中に浸っていることしか出来なかった。



「……じゃあコレは?」



差し出された「MILKCANDY」の缶。

俺の……6年間の結晶。





「要らない……お前にやるよ」





そんなもの、今となっては無意味だ。





「逃げたきゃ逃げろ。 俺は降りる。 …………ごめんな、エマ」





最後に謝れば、エマの松葉杖をつく音が消えていった。





────────────

────────

────





ノーマンがいなくなって2日くらい経っただろうか。

俺の中の時間は止まってしまった。



息が苦しい。



考えないといけないのに、どうにかしないといけねぇのに。





────体が動かねぇよ




ママの言う通りだ。


俺は“無能犬”

できると思っても、所詮いきがってるだけだった。




────情けない、情けない、情けない





ごめんなA。

こんなお兄ちゃんで。





『お兄ちゃんおはよう! あのね、今日カランコエのお花がまた咲いたんだよ! 後で一緒に見に行こっ!!』





『みてーお兄ちゃん! エウゲンとビビアンが私とお兄ちゃん描いてくれたの! ほら! 』





『ねぇお兄ちゃん。 もう少しでハウス(ここ)とお別れなんだね……寂しいね……』





無邪気で、優しくて、穢れというものを知らない宝石のように綺麗な心をもったA。


いつだって、真っ黒に穢れた俺なんかとは正反対に眩く光っている。



Aは、何も知らない。

いや、知らなくていい。



もし知ったら、心優しいお前はきっと自分を責めるから。

涙じゃ足りないくらい苦しんでしまうから。



その輝きを失いたくないから。

汚れるのは俺だけでいい。と────









────ずっと、そう思っていた









「いつまでそうしてるの?」





窓からこぼれる月明かりだけが頼りの図書室に、凛とした声が響いた。

第73話 かいことば→←第71話 たからもの



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設定キーワード:約束のネバーランド , 約ネバ , レイ   
作品ジャンル:アニメ
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みしょやす。(プロフ) - 雪奈さん» 雪奈さんコメントありがとうございます! 長らく更新できずにお待たせしてしまいました……。 これからも遅くはなりますが少しずつ更新していきますので変わらずご愛好よろしくお願いします(^∇^) (7月30日 18時) (レス) id: 5dafdcb4c2 (このIDを非表示/違反報告)
雪奈(プロフ) - ほんと、なんでめちゃ気になるところで終わりにするんですか?!← 続き待ってます!! (7月29日 17時) (レス) id: 08c5f26fea (このIDを非表示/違反報告)
みしょやす。(プロフ) - 羽鶴さん» はじめまして!コメントありがとうございます! いつもお楽しみいただけてこちらこそ感激です^ ^ レイはレイで一人で溜め込むけど、妹も妹で一人で溜め込む、やっぱり二人は双子といえど兄妹なんですよね… これからもそんな切ない双子を見守ってあげてください(*´-`) (7月3日 14時) (レス) id: 5dafdcb4c2 (このIDを非表示/違反報告)
みしょやす。(プロフ) - カナリアさん» 再びコメントありがとうございます! 神作は嬉しすぎてにやけました( ^ω^ ) 果たして続編行くまでに脱獄できるのか…この先もお楽しみあれ( ´ ▽ ` ) (7月3日 14時) (レス) id: 5dafdcb4c2 (このIDを非表示/違反報告)
羽鶴(プロフ) - はじめまして、羽鶴と申します。更新される度いつも楽しく拝読させて頂いてます…!妹ちゃんの健気さたるや尊い……けれどお兄ちゃんと段々拗れていき、遂に衝突してしまった切なさに何と言葉を表したら良いのか……これからの展開が楽しみです!応援しています! (7月3日 0時) (レス) id: 7e98098305 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:碧萌-みなも- | 作成日時:2019年5月30日 14時

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