アメジストを守る黒曜石 Ⅱ (ページ19)

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第63話かわりのだれかページ19

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「────僕が逃げたらレイやエマが代わりに出荷されるかもしれない……それは同じ最年長のAだって例外じゃない……」

────！！

「僕の代わりに3人の誰かが死ぬなんて絶対に嫌だ！！」

俺もエマも、初めてノーマンのこんな怒りの顔をみた。

すごい気迫。体がゾクリと震えた。

けど、言ってることはいつものお人好し(ノーマン)で。

頼むから自分のことを考えてくれよ。

ノーマンは眉間に寄せた皺を解き、いつもの穏やかな顔に戻ると、「ありがとう」と呟いた。

その時の目が……“紫色”と重なってしまう。

「明日の出荷は仕方がない、命はくれてやる。でもその他何一つ譲る気はない……負けるつもりも一切ない──」

「僕は勝つ！脱獄を必ず成功させる！！」

そう言って「それで十分、これでいいんだ」とヘラヘラ笑う。

────よくない！！！！

死にたくないくせに。

死なせねぇ。

ノーマンにもエマにもAにも、死へ続く道は選ばせない！

俺はそのために……

────ずっと……ずっと！！！

なのにエマは足折られて、ノーマンは出荷！？

「ふざけんな……」

こんな……それじゃぁ……

「俺の6年は何だったんだ」

代わりに俺かエマ……もしかしたらAが出荷されるかもしれない……？

骨折してるエマが出される可能性は低い……なら代わりに出されるなら。

────俺かA

考えろ。俺もAも回避できる方法を……！！

回避“しなければ”ノーマンが────

「じゃレイもAも足折ればいいよ」