アメジストを守る黒曜石 Ⅱ (ページ15)

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第59話しなせねぇページ15

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「ノーマンが…………出荷……？」

嘘だ。

嘘だ嘘だ嘘だ。

なんだ今の状況。

ノーマンが出荷宣言されてて、エマは地面に倒れて右脚は木の棒で固定して包帯されてて。

「ママ……」

その応急処置じゃ……まるで……

「エマのその足……」

まるで……まるで…………

「折れてるわ完全に。 “私が”折ったの」

「────！！」

一瞬で悲しみは怒りに変わった。

俺は目の前でエマを抱き嗤う死神を睨みつけ、歯を食いしばる。

「大丈夫よ。上手く折ったから傷一つ残さず元通りになるわ。でもしばらく絶対安静……全治1～2ヶ月ってところかしら」

「あなた“達”の“誕生日”に間に合えばいいわね」

────ババァ！！

やっぱりコイツ……最初から……っ！！！

最初から俺との“約束”を守る気なんてなかったんだ……！！

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────

ロープも奪われ、ノーマンは出荷、エマは足を折られて動けない。

下見済ませて次は脱獄のはずだったのに……それが全部崩れ落ちた。

だからって絶対に諦めねぇ。

エマは足なんてソッコーで治す、ロープもまた作りゃいい。

────脱獄はどうにか“する”！

それより今は“ノーマン”だ。

けど、なんでこのタイミングなんだよ。

“通常”ならありえない……“特例中の特例”

本部(うえ)の指図でノーマンが食われる。

「で、どうすんだよ……！このままじゃノーマン────」

「逃がすさ勿論！何としてでも！！」

ノーマンを逃がす！！

出荷なんてさせない！！

死なせてたまるか……絶対に死なせねぇ！！