アメジストを守る黒曜石 Ⅱ (ページ1)

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第45話ばんそうこうページ1

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「二人とも、随分と派手にやったね～」

「あー……まぁな。いっつ！」

「あ、ごめん。これ染みるよ」

「そういうことは最初に言うんだよ」

救急箱から消毒液を浸したガーゼを取り出し、俺の怪我の部分を優しく撫でる。

次にノーマンの頬にも同じことをすると、今度は少し大きめの絆創膏を取り出した。

「ごめんねA。夜中なのにこんなことして貰っちゃって」

「ホントだよー、トイレから帰ろうとしたら2人がほっぺた怪我して歩いてるんだから！」

「そりゃ驚いちゃうよ」と言って先程の絆創膏を優しくノーマンの頬に貼り付ける。

次に俺の頬に同じものを貼ると、「はい、終わり！」と乱暴に叩かれた。

一瞬和らいだ痛みに耐えられず咄嗟に頬を抑える。

「もっと丁寧に扱えよ！」

「……ごめん。手が滑った」

「それにしては力強かったよね……」

何故か機嫌の悪いAを睨みつけるがシカトされ、俺は舌打ちを打った。

眠いからなのかどこか機嫌が悪いAは、救急箱を片付け元あった棚に仕舞うと、近くの椅子に腰掛ける。

「けど、2人が殴り合いするくらいに喧嘩するなんて珍しいこともあるんだね」

「ま、まぁね。僕らだって喧嘩くらいするよ」

「ちょっとした意見の食い違いでな」

「ふーん……」

わざとらしく首を傾げ顎をあげるAは見下した態度で俺達をまじまじと見つめた。

その目がなんか気に入らなくて、俺が「なんだよ」と言えば、意味深に「別にー」と言って視線を逸らし立ちあがる。

「喧嘩するのは勝手だけど、時と場所くらいは選んでよ。弟妹達起きちゃったらどうするの？？」

「そ、それはー……」

腰に手を当て、まるでママみたいに注意するAに俺もノーマンも頭が上がらなかった。

あんなドタバタ音を立てて、もしもママやシスターにバレてたら計画は全部水の泡だったしマジで気をつけなきゃな……。

「ごめんね……今度からは気をつけるよ」

「……俺も」

ノーマンに便乗するように言葉を零せば、Aは「よろしい」なんて満足気に呟き欠伸をした。

「じゃあもう遅いし寝ようよ……私そろそろ限界……」

「確かに……気がつけばこんな時間だもんね」

「おやすみ2人共」と俺らに手を振るノーマンを見送って、俺達も自分の部屋に戻った。

(おいA、重いからちゃんと自分の足で歩けよ)
(あーるいてるよぉ…………おにぃちゃんのばーか……)
(……？)