ラナンキュラス (ページ10)

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その後グループワークに事務連絡と進み内定式は無事終了した
同期になるであろう人たちと交流もできたのは良かったけど
あの人には結局会えなくて、マジでいつ会えんの？ってなる

帰り支度をして光成や他の人達と一緒に
エレベーターに乗り1Fへと向かう

「光輝大人しいじゃん」

大体俺の性格を掴んだらしい光成が
俺の表情を見て言ってくる
こいつ気が効くし絶対女の子にモテそうだななんて
場違いのことを思ってみたり

1Fに到着しエレベーターから順に降りて
俺も降りて外へ出ようと光成と話しながら歩いていると
聞き覚えのある声が聞こえてくる

「ねー湧、あの資料さ…」

「は？あれは…」

外からロビーに入ってきて
仲良さそうに話しながら歩いてきたのはあの人で
隣にいるのは一緒に営業部を紹介してた元木さん

すれ違ったけど目が合うことはなく隣を通り過ぎていく彼女
元木さんに笑いかけるあの人に少しだけ胸が痛くなる
なぜか元木さんが振り返って俺のことを見た気がしたけど
2人は着ていたエレベーターに乗っていなくなってしまった

「光輝どうした？」

『…いや。』

変なの。と光成に言われたけど
よくよく考えると現実はこんなもんなのかもしれない
俺は彼女が気になってるけど、
彼女が俺のことを気になっているかなんて本人にしか分からない
けど、俺は諦めるつもりなんてサラサラない

「あのさ、これから飲みにいくんだけど光輝も来ない？」

『え？』

「なんか悩んでそうだし。話聞くけど？」

俺がボーっとしてたから光成が飲みに誘ってくれた
え、マジで惚れそうなんだけど
この気分を誰かに話したいし今後を考えるなら
光成にも話して協力してもらえるかも

『いく！行きたい！』

飛びつくように光成に言うと
お前犬かよ！なんて呆れた顔をされつつ
飲み屋街へと向かった