ラナンキュラス (ページ44)

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「わたの負けー」

『はい、いってらっしゃい！買うものこれねー』

「あーはいはい、いってきまーす」

久々に開いた俺の家でのゲーム会
この前、元木さんに
檜山寂しがってんぞ？なんて言われて
最近Aさんとのこともあって落ちてたし
渉も光成もオンラインでゲームはしてたけど
集まって遊んでないなって思って
2人が来て早々買い出しジャンケンなんかして
負けた渉が先ほど買い出しに出かけていった

「わた遅くね？」

『あー確かに。迷ってんのかな？』

渉が出かけてからもう30分以上経つのに帰ってこない
ここの近くにあるスーパーは歩いて5分もかからないのに
心配になって光成が渉に連絡しようとした時
ピンポーンと俺の家のチャイムが鳴る

「わり！遅くなったわ」

ドアを開けるとそこにいたのは
ヘラッと笑う渉と俺の顔を見て驚いていた長瀬だった

「まさか渉くんが言う友達が黒田くんの事とは…」

『いや、俺も玄関開けたら長瀬いて驚いたし』

どうやらスーパーで
渉が困っているのを助けたのが長瀬で
意気投合してここにやって来たってそうだ

なんて言うかさ
いいんだけどこの2人のコミュ力どうなってんの？
俺も高い方だって言われるけどマジで負けるんだけど

「あーこれ元木さんの字じゃん！」

長瀬と話していると
急に届いた渉と話してる光成の声に
近づいて光成が持っていた紙をみると
それはさっき俺が渡した買い物リスト
うまいモン出来るからみんなで作って食えよ！とか言われて
元木さんから貰ったものだ

「いやさ、読めないよこの字
　新手の漢字でわかる訳ないじゃん？」

「いやこれ新手の漢字じゃないから
　ただの誤字だから」

「これ見て渉くんがフリーズしてて俺か声かけたの！」

「いやーマジで笑った。
　長瀬、俺のこと外人だと思ってさ
　片言でエクスキューズミー？とか言ってくんの！
　しかもジェチャー付きで」

「普通思うでしょ？皺寄せて紙見てるんだもん
　あ、日本語読めないんだって思うじゃん！」

「でさ、俺日本語わかるし、
　ハーフだしって言ったらめっちゃ驚いててさ、
　それでこの紙に長瀬に見せたら一瞬で
　白菜ですよ！なんて普通に答えんの。」

「なんかフィーリングで分かったっていうか
　百菜ってなんだって考えたらこれだ！って」

なんかわかんないけど
とにかく元木さんがこの2人を繋げたってことでいい感じ？
そんなこんなで楽しい4人でのゲーム大会が始まった。